美容スペシャリストな自分になるために

更新:2019.12.05

作成:2016.04.16

美容師

もうこれで怖くない! 美容師国家試験勉強法&試験後に大事な、やるべきこと!


 

いよいよ国家試験対策も大詰め。試験の日が刻々と近づくたびに焦るかもしれませんが、一旦落ち着いて、できることからやっていきましょう。ここでは、自宅でできる試験対策や勉強方法をご紹介。イメージトレーニングをしながらやれば、本番も焦らずできるかもしれませんよ。

 

さらに、試験終了後のことも少し知っておきましょう。合格発表の確認や各種免許の申請など、試験が終わった後もやることはまだまだあります。終わってから慌てて調べるよりも、事前にチェックして余裕を持った状態で臨みましょう!

美容師国家試験の試験内容とは

美容師国家試験では、筆記試験と実技試験が行われます。

 

筆記試験では美容師に必要な知識を問い、実技試験ではウィッグを指定された髪型通りにカットできるかで判断します。受験者を知識とスキル両面で試すために行っています。

筆記試験

筆記試験では「関係法令・制度」、「公衆衛生・環境衛生」、「感染症」、「衛生管理技術」、「人体の構造及び機能」、「皮膚科学」、「美容の物理・化学」、「美容理論」の全8ジャンルに関する問題が出されます。

 

それでは、その8ジャンルについて、もう少し掘り下げて説明します。

「関係法令・制度」

美容師に関連する制度や法律についての問題が出されます。

 

「公衆衛生・環境衛生」

過去に「2012年の日本における死因1位と2位の組み合わせを選べ」(正解はがんと心臓病)といった問題が出されました。基本的に、社会と衛生に関する知識を問います。

 

「感染症」

感染病の知識について問われ、過去には「感染症法の三類感染症になったら、特定の職業に就けなくなるか」(正解は○)といった問題もありました。

 

「衛生管理技術」

美容室の衛生を保つために必要な知識を問われます。

 

「人体の構造及び機能」

体の仕組みに関する知識を問われます。

 

「皮膚科学」

皮膚の構造に関連する知識を問われます。

 

「美容の物理・化学」

美容に関する知識を問われ、実際過去には「石けんは陰イオン界面活性剤かどうか」(正解は○)が出題されました。

 

「美容理論」

「ヘムラインはヘアデザインを作ることでできた髪と顔や首との境目で合っているかどうか」(正解は○)のような問題が出され、実務的な知識を試されます。

実技試験

実技試験では、ウィッグを使用して美容師のスキルをチェックしています。

 

課題は2つに分けて出されます。第一課題が、「カッティング」、第二課題が「セッティング」です。合格の基準は、減点が40点未満であるかどうかです。ただし、第二課題のセッティングは、「ワインディング」と「オールウェーブセッティング」の2つがあり、毎年試験前にどちらになるか発表されます。

 

「カッティング」

「レイヤーカット」を20分以内にできるかどうか。

 

「ワインディング」

4種類、60本以上のロットを20分以内に巻けるかどうか。

 

「オールウェーブセッティング」

「オールウェーブ」を25分以内にできるかがそれぞれ問われます。

 

特にレイヤーカットと、ワインディングの技術は実際の施術でも多く使われるので、しっかり対策しておきましょう。

 

また、実技試験中には「衛生実技試験審査」も同時進行で行われています。内容は「動的審査」、「静的審査」、「確認的審査」の3つに分かれます。それぞれ簡単にどこを見ている審査なのかをお伝えします。

 

「動的審査」

試験中に技術を安全かつ衛生面に留意して進めているかどうか。

 

「静的審査」

試験を開始する前の受験者の身体と服装、また使用する用具類が、試験をするにおいてふさわしいものであるかどうか。

 

「確認的審査」

試験終了後に用具類の衛生的処理状況について正しいかどうか。

 

ポイントしては、まず身だしなみがちゃんとしていて清潔感があるかどうか。用具においても正しく取り扱いができているかどうか。また実技試験での緊張状態で、用具を落としたり、手を切ったりしてしまった場合に、落ち着いて冷静に対応できるかどうか等が見られています。

 

想定外の事が起こるとパニックになってしまうので、試験の前にいろんな場合をシミュレーションして、イメージトレーニングをしておくといいでしょう。

学校の授業以外の勉強も大切!

学校で一通りのことを教えてくれるとは思いますが、それだけで完璧にできる人は中々いませんよね。けれども、「自分で勉強って全然上手くいかなくて…」という人も多いはず。そんな人のために、勉強のヒントを少しお教えしましょう。

筆記試験の勉強

まずは暗記との戦いである、筆記試験の勉強法から。教科書は早い時期にしっかり熟読するようにしましょう。というのも、実は多くの学生が「教科書をもっと読めばよかった」と後悔した経験があるんです。けれども、8教科分を短期間に読むのは至難の業。時間のある早い内に、コツコツと読み進めていきましょう。友達に覚えたことを説明してみるのも頭に入りやすいのでおススメです。

 

また、ワークブックや過去問も積極的に解いていきましょう。過去問を解く時には、一回分の試験を一通り解いてみるのではなくて、分野別に解くと効果的。まずは自分の苦手な分野の問題を過去問題集から数年分ピックアップして、まとめて解いてみましょう。同一分野の問題を解くことで、問題の出し方や自分の苦手な問題を知ることが出来ますよ。勘で解いた問題や分からなかった問題にはマークをつけておくと復習しやすいので、実践してみてください。

実技の練習

実技はとにかく練習あるのみ! 学校によっては、試験の直前に本番さながらの模擬試験を実施したりと、試験の準備審査を含めて練習することができます。また、居残り練習をする学生も多い様子。すでに美容室でアシスタントとして働いている場合は、先輩美容師さんにアドバイスをもらいながら練習するといいでしょう。

 

家で練習する場合には、カットウィッグが必要になるので、どうしても費用がかかるもの。そこで簡単にできるのが“エアーパーマ巻き”です。エアーで練習して意味があるのか、と思う人もいるかもしれませんが、ロッドで髪を巻く作業は手のぶれがあるとキレイに巻くことが出来ません。エアーで慣れてくると自然に手の軸がしっかりとしてくるので、パーマはもちろんシャンプーやブローの練習にもなってきます。

 

緊張の合否確認

ある意味、試験より緊張するのが合否発表ですよね。合否を確認するには3つの方法があり、1つ目が一般的な掲示。合格発表日の午前9時に、厚生労働省と試験センターに合格者の受験番号が掲示されます。2つ目はネットでの確認です。こちらも一般的な掲示同様に、合格発表日の午前9時から公開されているので、手間なく最短で確認できるので楽ですね。最後が「試験結果通知書」での確認。受験申込者全員に試験結果通知が届きますが、通知が届くのは少し遅めなので早く結果を知るには掲示版を見に行くかネットで調べる方が良いでしょう。

 

ただ合格しただけじゃ、免許はもらえない!

さて、筆記も実技も合格して、ここで自動的に免許も…なんてシステムではありません。試験に合格しても、免許を申請する義務をもらえただけの状態。一度取得した免許は特別なことがない限り一生有効なので、忘れずに申請手続きを行いましょう。

申請手続きの種類

一般的には「新規免許申請」で申請を行えば大丈夫。しかし、すでに免許を持っている人用に、いくつか別の免許申請も用意されています。例えば、結婚等で苗字が変わったなどの場合は「名簿訂正・免許証書換え申請」を、破れてしまったり無くしてしまった時には「免許証再交付申請」で申請をしなくてはいけません。また、卒業と同時に海外に渡って活動をしたいという場合は「免許証の英訳文証明書申請」が必要になるので、忘れずに手続きをしてくださいね。

申請に必要な書類

1.免許申請書(国家試験合格後に送られてくるものを使用):1通

2.本籍地の記載された住民票もしくは戸籍抄本:1通(発行後6か月以内のもの)

3.診断書(精神の機能の障害の有無を記載した医師の診断書):1通(発行後3か月以内のもの)

4.合格証明書:1通

5. 収入印紙(登録免許税として9,000円分を郵便局で購入):1枚

6. 郵便振替払込金受領証(手数料として5,200円を事前振替):1枚

申請方法

申請方法は、郵便か持参のどちらかになります。どちらも宛先は「財団法人理容師美容師試験研修センター」です。持参の場合は、祝日を除く月曜日~金曜日の午前9時30分~正午、または午後1時から午後4時までと、時間が決まっているので気をつけましょう。

 

申請が終わって無事に手元に免許が届けば、今度こそ晴れて美容師の仲間入りとして働くことができます。道のりは険しく遠いですが、巡ってきたチャンスを逃さずに合格を目指していきましょう。

 

※合否の確認方法や申請方法は変更になる場合がございますので、必要な場合は公式サイトでご確認をお願い致します。

⇒公益財団法人 理容師美容師試験研修センターHP

「通学」と「通信」は何が違うの?「美容師国家試験」の色々な勉強方法

そもそも「美容師国家試験」は誰でも受験できるわけではなく、2種類の受験資格が設けられています。一つは国が定めた養成施設で、一定期間のカリキュラムを修了するという条件(1998年4月1日以降に入学した人が対象)。昼間課程と夜間過程なら2年以上、通信課程なら3年以上のカリキュラムを修了していれば受験資格を得ることができます。

 

もう一つは1年以上の実地修練に加えて昼間過程1年以上、夜間過程1年4カ月以上、通信課程2年以上のカリキュラムを修了するという条件(1998年3月31日までに入学した人が対象)。ただしこの場合、実地修練は2002年3月31日までに終えている必要があるので注意しましょう。

 

現在では実地修練制度は廃止されているため、今から美容師を目指す人は一定期間のカリキュラムが組まれている美容学校に通うだけでOK。美容学校では「通学」と「通信」という二つの勉強方法があるので、それぞれの特色をご紹介していきます。

美容学校に通学する場合

美容学校に通学する最大のメリットは、美容に関する総合的な知識やスキルを身につけられるという点。「美容師国家試験」に必要な関係法規や衛生管理などについて学べるのはもちろん、美容師として活躍するために必要なコミュニケーション能力や英語力を習得できる学校もありますよ。

 

また充実した実地研修を受けられるのも大きな特徴。モデルを使ってヘアカットの実践的な技術を磨くことができる上、学校によってはネイルアートやエステなどの授業が設けられていることもあります。そのため卒業後にはネイリストやエステティシャンなど、美容師以外にも幅広い進路を検討できるのが嬉しいところ。

 

そのほか美容学校では、資格取得に向けたサポート制度を利用することができます。もし在学中に合格できなかった場合、卒業した後も無料でサポートを行ってくれる学校もあるようですね。

通信課程で資格取得を目指す場合

「通信だとスキルが身につかないんじゃないの?」と思う人もいるかもしれませんが、自主性さえあれば問題なく資格取得を目指すことができます。通信課程では自宅学習で美容師としての知識を身につけていき、実践的なスキルは一定期間のスクーリングで習得するのが一般的。時間に融通が利くので、ほかの仕事で働きながら美容師を目指せるというメリットがあります。

 

また通学するより学費をずっと安く抑えられるのも、通信課程ならではのメリットと言えるでしょう。通学する場合には卒業までに200万円以上かかる学校でも、通信課程なら4分の1ほどの学費で済むことも。美容師を目指す方法は一つではないので、自分に合ったものをよく検討してみてくださいね。

Author:美プロ編集部

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