美容スペシャリストな自分になるために

更新:2019.04.08

作成:2017.04.18

美容師

老後の不安を減らす美容師の働き方

人脈を計画的に考える
 

美容師は自分の体が資本です。そのため、他の仕事以上に老後の不安がつきまといます。加齢によって体力が衰えると、思うようにカットができなくなるからです。それではどのように仕事を続けていけば良いのでしょうか。

 

店を維持して収入を得る

既に自分の店を持っている、あるいはいずれ独立しようと考えているなら従業員を雇って店を維持する方法があります。経営にも注力しなければいけないので、美容師として仕事をする機会は減ってしまいますが、それだけ体の負担も減るので老後になっても店を続けるのが容易になります。オーナーとして店長を雇えば、自分が一線を退いても収入を得続ける事ができるでしょう。

 

一方で経営を安定させるには、いかに優秀な人材を長く確保できるかが重要です。その従業員が離れてしまうと顧客も一緒に離れてしまう恐れがあるからです。人件費はかかりますが、複数の従業員を雇って誰でも同じサービスを提供できるように教育すれば、そのようなリスクは分散できます。

 

一生現役でいるなら資金と人脈が重要

計画が人生を左右する
 

自分の店を持つ気は無かったり、一生現役でいたかったりするなら老後になっても美容師としての働き口を探さなければいけません。個人経営の美容室であれば、知り合いのツテで働けるかもしれません。安価でカットだけをするチェーン店も需要はありそうです。ただし賃金は低くなり、雇用形態もパートなど非正規である場合がほとんどなので、生活していくには少し不安です。

 

最近ではキャンピングカーなどの大型車を改良して移動式の美容室をしている美容師もいます。初期費用はかかりますが、自ら美容室に行けない人や近くに美容室が無い地域など、いくらでも需要を掘り起こせるのがメリットです。経験や技術を生かして美容学校などの講師になる方法もあります。いずれも現役でいる間に資金を貯めたり、人脈を築いたりするなどの準備が必要です。

 

年金だけでは生活していけない?

老後の暮らしを支えるのが「年金」です。美容師であれば雇われている時は厚生年金か国民年金、個人経営者は国民年金、法人の代表なら厚生年金にそれぞれ加入しているはずです。けれども国民年金を25年間満額払ったところで、年に支給されるのは78万円弱です。ひと月あたり7万円程度なので、これでは十分な暮らしができません。

 

老後に夫婦2人で暮らすには、年金以外に3,000万円必要だと言われています。貯金や資産運用、年金保険など何らかの形で現役のうちに貯めなければいけません。国民年金基金など少ない掛け金で上乗せできる年金もあります。

 

老後の不安をなくすためにできること―年金の受給資格について

老後の不安を軽減する働き方を簡単に紹介してきましたが、具体的にはどんなことをすれば良いのでしょうか。以下では美容師が実際にできること、やるべきことを掘り下げてご紹介していきましょう。

 

まず一つ目はしっかり「年金」を受給できるようにしておくということ。そもそも美容室の「厚生年金」制度への加入は、必ずしも義務ではありません。オーナーが個人事業主で従業員が4人以下だった場合、加入は“任意”と定められています。

とはいえ老後の収入が期待できない美容師にとって、厚生年金を受け取ることができるかどうかは死活問題。さらに「国民年金保険料」が未納だった場合には、厚生年金と国民年金のどちらも受給できなくなってしまいます。

 

そのため老後のことを考えるなら、「社会保険完備」と謳っている美容室を選んだほうが良いかもしれません。雇用保険・健康保険・厚生年金保険・労災保険の全てに加入しているということなので、老後はもちろん万が一失業したり怪我・病気になった際にも安心ですよ。

 

また「国民年金保険料」をきちんと払っておくことも大切。以前は25年のあいだ国民年金保険料を支払っていなければ受給資格を得られなかったのですが、2017年8月1日に制度が変更。10年のあいだ保険料を納めておけば、受給資格を得られるようになりました。

国民年金と厚生年金の両方を受け取ることができれば、老後生活の安心感が格段にアップするはず。保険料を納められるように、若いうちからやりくりしておくことをおススメします。

老後の不安をなくすためにできること―講師や経営者として働く

そして“できるだけ長く働き続ける”ことを考えるのも重要。美容師の仕事には腰痛や手荒れといった職業病がつきもので、生涯現役で働き続けるのが難しいという側面もあります。ですがスタイリストとして現場に立つだけが、美容師の働き方ではありません。

 

まず考えるべきは美容学校やスクールで「講師」として働くという選択肢。講師になるには3~5年以上実務経験が必要だったりと、求人によって様々な条件が設けられています。ですが美容師として働いてきた経験を活かすことができるのは大きな魅力。

 

そのほか独立・開業して美容室のオーナーになるという選択肢も。美容室を開業する際には多額の費用がかかるもので、「内装工事費」を始めとした初期費用だけで1,000万円近い額が生じることもあるそう。

ですが様々な団体が美容師向けの融資などを発行しているので、利用を検討してみるのも良いでしょう。オーナーとして経営に携わるだけであれば、年齢に関係なく働き続けることができるはずです。

老後も美容師でいられるためのシステムを作ろう

車椅子を押す女性
 

老後の不安を解消するには必要な生活費を貯めたり、働き口を確保したりするなどあらかじめ準備しておくのが一番です。まだ早いからと油断せずに、将来を見据えて計画を立てましょう。

 

会社に勤めればいつかは退職しなければいけませんが、美容師には終わりがありません。工夫次第でいつまでも現役でいられます。体力が衰えても稼げる工夫をしておけば安心して老後を迎えられるでしょう。

Author:美プロ編集部

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