美容スペシャリストな自分になるために

更新:2019.10.25

作成:2017.04.25

美容師

美容師に必要な最終学歴と、中卒から美容師を目指す方法

マークシート
 

美容師として働くには、国家資格が必要です。そのためには、美容学校へ入って勉強しなければなりません。でも、美容学校に入るには中卒でも大丈夫なのでしょうか?そこで、美容師になるために必要な学歴についてお伝えします。

美容師になるには美容学校卒の学歴が必要

「美容師に学歴なんて関係あるの?」と思われる方も多いのではないでしょうか?しかし、美容師として仕事をするには、美容師養成施設(以下、「美容学校」)を卒業し、国家試験に合格しなければなりません。

 

その理由は、不特定多数の人に触れるため衛生上の問題から、伝染病のことや消毒、衛生法規などについての知識や、ハサミやカミソリなど刃物を扱うため、万が一お客様にケガをさせてしまったときの応急処置の方法なども身につける必要があるからです。

 

毎年2~3月と8~9月に開始される国家試験では、以下のような内容が出題されます。これらの科目は高校の普通科では勉強することがないため、美容学校に通って知識と技術を学ばなければならず、美容師になるには専門学校による履修が必要ということになります。

 

美容師国家試験の内容

実技:カッティング、オールウェーブセッティング

 

筆記:衛生管理、美容保健、美容理論、美容の物理・化学、関係法規・制度

中卒でも美容師になることは可能

学校の教室
 

国家試験を受験するには、まず厚生労働大臣が指定する美容学校に入学し、昼間・夜間なら2年以上、通信制の場合は3年以上の課程を修了しなければなりません。

 

通常は「高等学校卒業以上」が入学資格となっていますが、「専修学校制度」により、高等課程の認可を受けている美容学校であれば、中卒でも入学することができます。

 

3つに分類される専修学校の入学資格

  • 専門課程―高等学校卒業者、高等専修学校卒業者(3年制)
  • 高等専修学校―中学校卒業者
  • 一般課程―特になし

高等専修学校であれば中卒でも入学可能です。国家試験に合格するための教科以外にも、一般の高校生が学ぶ教科も勉強できますので、きちんとした学歴として社会で通用します。

「通信課程」や「高卒認定」で学ぶことも可能

勉強
 

中卒で美容師になるには、「通信課程」「高卒認定」という方法もあります。

通信課程とは?

美容学校のテキストに従って自宅で勉強し、定期的にレポートを提出する学び方。年に数回、「スクーリング」といって、学校に通い美容師としての技術や学科のレクチャーを受けることもあります。

 

通信課程は、ほとんどの美容学校に設置されています。中卒以上であれば入学資格が与えられていますが、高卒以上となっている美容学校もありますので、入学を希望する場合は事前確認しましょう。

高卒認定とは?

高卒と同程度の学力があることを証明する制度です。「高等学校卒業程度認定試験(高認試験)」に合格すれば、高卒者と同じ扱いを受けることができ、美容学校だけでなく短大、大学への受験資格を得ることができます。

必要な試験科目

高卒認定を受けるためには、いくつかの科目試験を受験して合格をする必要があります。最低でも8科目、選択によっては10科目の受験が必要に。

 

全員が必須の国語、世界史、数学、英語以外は選択する科目によっても受験内容が大きく異なるので、自分に合った科目の選択をするようにしましょう。

 

国語:

必修

地理歴史:

世界史A、世界史Bのうちいずれか1科目必修

日本史A、日本史B、地理A、地理Bのうちいずれか1科目必修

公民:

現代社会、倫理、政治・経済のうち現代社会1科目必修or倫理と政治・経済の2科目必修

数学:

必修

理科:

科学と人間生活、物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎のうち

1、科学と人間生活に加え物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎のうち1科目を必修(全部で2科目)

2、物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎のうち3科目を必修

外国語:

英語を必修

 

既に合格をしている科目は受験できない、免除申請をした科目は受験できないといったルールもあるので、誤りの無いように選択をしてくださいね。

一部の科目が免除される場合も

前述した科目を全て受験せずとも、以下のような場合はその一部が免除されることもあります。

  • 高等学校で既に単位を修得している場合
  • 5年制の高等専門学校で単位を修得している場合
  • 技能審査を受験し、それに合格をしている場合
  • 大学入学試験検定で単位を修得している場合

免除の申請を行う場合には文部科学省に対して「単位習得証明書」を提出する必要があるため、必要な書類を作成した上で漏れなく申請をするようにしましょう。

 

また、たとえ全ての科目の免除要件を満たしている場合でも、最低1科目は免除申請をすることなく受験する必要があります。

⇒文部科学省公式HP「高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格認定)」


「中卒」で美容師になる3つの方法

国家試験に合格する必要はあるものの、誰もが目指すことができる美容師のお仕事。以下では「中卒」で美容師を目指すにはどうすればいいのか、具体的にご紹介していきましょう。

 

まずは最も大きな難関となる「美容師国家試験」の受験資格について。「美容師国家試験」を受けるためには、厚生労働大臣が認可する美容学校で決まった年数のカリキュラムを受講しなければいけません。そして多くの美容学校では入学資格を「高卒以上」と定めているため、「中卒」のまま美容師になるのは難しいようにも見えますよね。

 

ですが「中卒」または「高校中退」でも美容師になる方法はいくつかあります。

高等課程の認可を受けた美容学校に入学

一つは「高等課程」の認可を受けている美容学校に入学すること。「高等課程」の認可を受けている美容学校の場合、美容師養成施設としての教科のほか一般の高校生が勉強する教科もカリキュラムに組み込まれています。美容師免許と一緒に「高卒」と同等の資格が手に入るので、「中卒」や「高校中退」の人が美容師を目指すにはうってつけ。

美容学校の通信課程に進む

もう一つは美容学校の「通信課程」に進む方法。「通信課程」はほとんどの美容学校に設置されていますが、入学資格は中卒以上となっているので高校に行っていなくても入学可能です。ただし入学資格が「高卒以上」の学校もあるので、しっかりと確認しておきましょう。

高認試験に合格した後、美容専門学校に入学

そのほか、一般的に高認試験と言われる「高等学校卒業程度認定試験」を受ける方法も。高認試験に合格すれば「高卒」と同等の資格を得られるので、入学資格が「高卒以上」の美容学校に入学できるようになりますよ。

美容部員にもなれる? 美容関連の「中卒」事情

ちなみに同じ美容関連の仕事では、美容部員も「中卒」で就職することができます。美容部員は化粧品に関する知識やメイクのテクニック、接客ができるコミュニケーション能力があれば誰でもなれる職業。美容師とは違って、美容部員になるために特定の資格は必要ありません。

 

中には企業の研修制度が充実していて、入社前には化粧品の知識やメイクのテクニックすらあまり問われない場合も。実際に美容部員の求人情報を見てみると、応募資格の欄には「学歴不問」と記載されているところが少なくありません。その一方で正社員の求人では、「高卒以上」あるいは「専門学校・短大卒以上」などの学歴が問われる場合もあります。実は美容部員の業界において正社員の求人は決して多くありません。そのため正社員の競争倍率が高くなり、高学歴の人の方が採用されやすいという実情があるようです。

 

とはいえ、「中卒」で美容部員の正社員になることが不可能というわけではありません。アルバイトや契約社員として実務経験や実績を積み、採用に至るケースも珍しくないからです。比較的学歴の関係ない業種ですし、「日本化粧品検定」や「メイクアップアドバイザー検定」など美容部員向けの資格も色々と存在します。美容部員の仕事に興味がある人は、正社員へのステップアップを目指す道もあるのではないでしょうか。

やり甲斐のある美容師の夢を実現してみては?

今まで「中卒だから無理」とあきらめていた人も、憧れの美容師になるチャンスがあると分かってもらえたはず。勉強が嫌いな方にとっては、法規や衛生管理など難しい勉強も多いとは思います。たとえ美容師になったとしても、常に流行や美容知識、カット技術を磨くなどの努力が必要です。

 

ただ、それだけに、お客様が喜ぶ姿や「ありがとう」の言葉に大きなやり甲斐を感じることができる職業でもあります。

 

「中卒だから…」と美容師の夢をあきらめていた方も、これを機会に夢を実現してみてはいかがでしょうか。

Author:美プロ編集部

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