美容スペシャリストな自分になるために

更新:2019.12.06

作成:2016.06.20

エステティシャン

備えあれば患いなし! エステサロンやエステティシャン向けの保険


 

エステティシャンとして働いていると、どれだけ気をつけていても怪我や荷物の紛失といったトラブルは避けられないもの。トラブルが起こったとき、治療費や慰謝料といったものをお店や個人単位で負担するのはとても大変ですよね。ですが実は、そういったトラブルに備えた、エステサロンやエステティシャン向けの保険があるんです。

 

エステティシャンの入れる保険にはエステティシャン個人の施術に関するものと、エステサロンの店舗に関するものがあり、またその補償内容も様々。ここではそうした保険の内容について、どんなトラブルに対応しているのかなどを具体的に見ていきましょう。

どういうトラブルが起こるの?

そもそも、エステサロンではどういったトラブルが起こりやすいのでしょうか? まずは起こりがちなトラブルの数々を紹介します。

施術ミスによるトラブル

直接お客様の肌に触れるエステは、ちょっとしたミスによって怪我をさせてしまうことが十分あり得ます。美容サービスの内容はエステサロンによって様々ですが、たとえば脱毛による火傷や、フェイシャル美容サービス(フェイシャルマッサージ、クレンジング、マッサージなど)で薬剤による炎症が起きるといったことが考えられます。

エステサロン内の事故

お客様が美容機器のコードに足を引っかけて転ぶ、濡れた床で滑ってしまう、段差につまずくなど、エステサロン内の設備によって負傷するのもよくあることです。

預かり品の紛失や破損

エステサロンでは来店されたお客様から荷物を預かり、クローゼットなどに保管するのが一般的。その際、何かの手違いで預かったものを汚したり失くしてしまうこともあり得ます。

化粧品が原因で起きるトラブル

化粧品はその人の体質によって合わない場合も良くある、デリケートなもの。サロンで化粧品などを販売・提供した際、炎症や肌荒れといったトラブルが起きる可能性があります。

その他のトラブル

駐車場内でお客様の自動車を移動しようとして、どこかにぶつけて傷をつけてしまうといった車のトラブルや、従業員がお客様のプライバシーを公衆の面前で話して、訴えられてしまうといったことも稀にあるようです。

 

保険の種類

そうした様々なトラブルに対応するための保険には、どういったものがあるのでしょうか? エステに関する保険には、エステティシャン個人の施術に関する保険と、エステサロンの店舗に対しての保険、また保険会社によってはそれらを組み合わせた保険プランなどもあります。

エステティシャン個人に向けた保険

「日本治療協会」が提供している、エステティシャン個人に向けての保険に「エステティシャン賠償責任保険」というものがあります。これは施術場所や営業形態に関係なく、エステ業務を行っている人が利用できるもの。内容としては、フォトエステ、セルライトへの施術、脱毛、ボディ美容サービス、フェイシャル美容サービスなどでお客様に損害を与えた場合の賠償を保証してくれるものです。1年あたり20,000円弱で入ることができるので、万一のために入っておくと安心ですね。

エステサロンの店舗に向けた保険

「日本治療協会」はほかにも、「エステサロン賠償責任保険」というエステサロンの店舗に対する保険も提供しています。内容としては、施設の欠陥や管理の不備による事故「施設賠償責任」に対する保証や、お客様から預かった荷物の紛失・破損「受託物賠償責任」に対する保証、店舗で販売・提供をした商品による損害「生産物賠償責任」に対する保証です。

 

また、この保険には加入条件として、店舗にいる1名以上のエステティシャンが「エステティシャン賠償責任保険」に加入している必要があります。そのため両者に併せて加入するのがオススメです。なお、年間保険料は1店舗当たり約25,000円程度で入ることができます。

 

複合的な保険

「サロン保険ネット」が提供している「サロン店舗賠償責任保険」は、エステサロンだけでなく理美容室やまつげエクステ、ネイルサロンといったサロン業務を行う店舗全般に対しての保険。個人についての補償と店舗についての補償、合計6つからお店に合ったものを組み合わせ、自由に保険プランを作ることができますよ。

 

6つの補償は、お客様を怪我させてしまった場合の「施術事故補償」、施設内で発生した転倒による怪我に対する「店舗管理事故補償」、店頭販売商品についての「生産物賠償補償」、そのほか「一時預かり品補償」、「火災・盗難損害等補償」や、火災などで店舗を修理するために休業した場合の損失をカバーする「休業損害補償」があります。

 

プランの例として、エステサロンであれば、「施術事故補償」+「店舗管理事故補償」+「生産物賠償補償」+「一時預かり品補償」がスタンダードプランとしてあり、年間約1万7千円ほどで申し込むことができます。開業の際に加入するのであれば、このスタンダードプランに「火災・盗難損害等補償」と「休業損害補償」をつける開業安心プランがオススメですよ。

そのほかのトラブルに関する保険

「AIU保険」で提供している「理美容・エステ総合賠償責任保険」には、お客様からお預かりした自動車に傷をつけてしまった場合の「受託自動車に関する賠償リスク」についての補償や、従業員がお客様の名誉を棄損したり、プライバシーを侵害したりして訴えられた場合の「人格侵害に関する賠償リスク」に対しての補償などもあります。様々なトラブルを想定して、必要だと思ったら利用してみましょう。

 

知っておきたい保険の種類と、保険適用事例


 

保険に加入した方がよい、ということは理解してもらえたはず。それでは、一体どんなことが発生した時にそれぞれの保険が適用されるのでしょうか?

実際にサロンで起こりうる事例と、それに関連する保険を見てみましょう。

製造物賠償責任保険(PL補償)

サロンで製造された、またはサロンで販売された商品が原因で、お客様に損害を与えてしまった場合に適用される保険です。想定されるケースとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • サロンで販売した化粧品を使用したお客様の肌が荒れ、病院に通院することになった
  • サロンで販売したマシンの使用により、お客様がけがをしてしまった

シャンプーやリンスといったヘアケア品ではそこまで肌荒れが起こることはないものの、肌に直接塗るような化粧水や美容液だと、肌に合わずに通院されるお客様も一定数いるはず。サロンでの化粧品販売を行っている場合、毎回全額の負担をすることにならないように製造物賠償責任保険に加入しておくと良いですね。

施設賠償責任保険

サロン設備の安全性の管理不足によって、施術中にお客様にけがをさせてしまった場合に適用される保険です。想定されるケースとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • マシンが施術中に故障し、お客様にけがをさせてしまった
  • サロンのライトスタンドが倒れ、お客様に当たって火傷させてしまった
  • お客様がサロンの段差に躓いて転倒し、けがをしてしまった

軽い捻挫等ならそこまで大きな金額ではないものの、転倒して骨折をしてしまった場合には多額の費用がかかります。それを全てサロンで負担するとなると大きな出費になってしまうので、施設賠償責任保険へ加入しておくと安心ですね。

受託者賠償責任保険

お客様から預かったバッグや洋服を汚してしまったりした時に適用される保険です。想定されるケースとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 着替える際に預かったアクセサリーを誤って捨ててしまい、紛失させてしまった
  • フロントで預かったバッグを落として、破損させてしまった
  • フロントで預かったコートに、インクのしみを付けて汚してしまった

施術中にお預かりする、お客様の大事な手荷物や衣類。お金には代えられないような大切な想いの詰まったものも多いので、保険に入ることはもちろん、まずは紛失したり破損させたりしないように十分に注意を払いましょう。

 

施術に関するトラブルや自然災害、荷物の紛失といった万一の時に備える保険は、安心してエステサロン業務を行うために欠かせません。店舗の規模や来客数、従業員の人数などに合わせて、お店や働き方に合った保険プランを選びましょう。

Author:美プロ編集部

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