美容スペシャリストな自分になるために

更新:2019.02.21

作成:2019.02.15

インタビュー

【国際理容美容専門学校】理容科学科長 高橋正行氏

美容業界を目指す若者にとって、昨今は売り手市場でその選択肢は豊富にある。就職に困ることはないが、本当に自分に合ったサロンと出会えるかは別問題。そこで、業界のパイオニアで、就職支援でも定評の国際理容美容専門学校の高橋正行氏に、自分に合ったサロンと出会う極意を聞いた。

 

大切にするのは”人としての美しさ”を感じる、生徒と教師の関係性

――最初に貴校の教育方針をお聞かせください。

高橋:本校は、ビューティー産業に携わる職業人を目指す人たちが学ぶための学校です。専門知識・専門技術の習得、資格取得に加えて、人間性豊かな資質の高い人材を育成すること=『躾』『実学』『創造』を教育理念としています。ですから、『人として成長したい!』『人間力を高めたい!』『魅力的な人間になりたい!』と願う入学生は年々増えています。

 

――技術の取得や向上はもちろんですが、人間力を高めることも視野に入れて学生が入学してくるというのは素晴らしいですね。

高橋:本校の全教職員は、学生たちに対して親身な指導をし、学生たちの「私にもできた!」という声が最高の喜びですし、仕事の原動力となっています。ですから学生たちも、そんな先生方に心を向けてくれているのだと思います。オープンキャンパスや学校見学を通じ、来校者は、学生たちと先生方の関係に、”人としての『美しさ』” を感じていただいているのではないでしょうか。

 

――美容師はサービス業ですから、人間性はとても重要になってくると思います。加えて、業界人としての教育も求められるわけですが、その辺りはどうフォローしているのでしょうか。

高橋:本校のカリキュラム開発の特徴に、『産業界との連携』に積極的に取り組んでいることがあります。

業界人と学校職員とで議論を重ねながら、就職後、即戦力として活躍できる人材を育成することを目指し、職業理解、業界理解、実務実習、ホスピタリティの涵養、キャリア開発など、深い学びを得られるカリキュラムの研究に努めております。

また、それによって学生たちの世の中の変化を正確に捉える視点や時代の流れをいち早くキャッチする感性を養うことも可能になりました。

素直さと至誠と自責思考。それらが人を成長させてくれる

――学生の志が高く、教師陣も優れている貴校ですが、その中でも入学後により成長度の大きい学生はどんな傾向があるのでしょうか。



 

高橋:学業や仕事で圧倒的に成長するためには、『素直』であることが大切です。人の意見をなかなか受け入れられなかったり、先生(講師)の指導をすぐに遂行できない人は、敬遠されます。

人から敬遠されるということは、成長の機会が限定されてしまいます。なぜならば、それらの言葉はあなたを困らせようとしているものではないからです。「自分にもできるんだ!」という自己効力感と、小さな成功体験(※スモールウィン)を積み上げて、「もっと成長してほしい」という支援している声だからです。

 

周囲の意見を聞かず、経験の浅い自分の考えを貫くことは成長にブレーキをかけていることになります。自分の考えに固執することなく、周りからの意見を素直に受け入れ吸収することが成長する人の特徴と言えるのではないでしょうか。

 

――やはり人間としてよりすぐれていることが、成長も加速させるのですね。

高橋:さらに加えるなら、自責思考がある学生です。自責思考とは、何事も「自分の責任だ」と考えること。つまり、『人や環境のせいにせず、常に自分を振り返る』ということです。

よくある学校生活でのワンシーンで考えてみましょう。例えば、技術試験の結果が思うようにいかなかったときに、自責思考の人は、「自分の日々の授業の受け方が甘かったかな~」「自主練習が足りなかったよな~」、「もっと授業に集中して、計画的に自主練習をして行こう!」と考え、自分を改善する方向にシフトしていきます。

 

 

――おっしゃる通りだと思います。

高橋:逆に成長できない人は、常に失敗の原因を自分以外のところに求めます。「アルバイトが忙しいから練習ができない」「授業のスピードが速すぎるからオレは上手く出来ないんだ!」と、言い訳ばかりが多くなります。物事が思い通りに進まないとき、その原因を自分に向けて、問題解決のための改善策を考える思考が自己成長の源泉になります。(※自責思考の人は、PDCAサイクルを自然に回しています。)

 

――いつも人のせいにしているので耳が痛いです・・・。

高橋:最後に『至誠』です。至誠とは、普段やらなければならないことを、真剣に本気で誠意を持ってやること。

学生たちは、日々の学校生活に馴染んでくると、気のゆるみから横着さ・さぼり・わがままが出てきます。だからこそ普段から、“当たり前のことを当たり前にすること”=『当たり前の力』を大事にしてほしいのです。

「元気な挨拶をする」「遅刻をしない」「メモをとる」「宿題の提出期限は守る」「しっかり掃除をする」「返事をする」「人の話は最後まで聞く」「身だしなみを整える」「授業中、スマホで遊ばない」などなど・・・人間の基本や基礎という土台が、しっかり固まっていれば、学んだ技術や知識が活かされ、自己成長に弾みがつきます。

 

また、至誠を貫くことで、気持ちが引き締まり、心が整い、冷静に自分を見つめることができるので、目的をもった学校生活ができると思うのです。「何のために、この勉強をしているのか?」「何のために、この学校に通っているのか?」という目的を常に感じている学生には、学びにブレがありません。

「自分の人生をどうしたいのか」を思い描くことで、未来に繋がっていく

――貴校でしっかり学べば、美容師としてはもちろん、社会に出ても引く手あまたの人材になることが想像できます。だからこそ、その人材力を最大限に活かせるサロンと出会って欲しいものですね。就職指導はどうされているのでしょうか。

高橋:最初に、「自己分析」から始めます。簡単に言うと、自分の「長所」や「強み」を見つけます。具体的かつ端的に、箇条書きで記述(表現)します。ここが明確になると、『得意なこと』が見え始めてきます。そして次に、「何をしているときが楽しく感じるのか」「どんなことにやりがいを感じるのか」を見極める作業に入ります。ここが明確になると『好きなこと』が見え始めてきます。これらは就職してからも、いや、何歳になっても、ずっと考え続けることで、キャリアアップの際に役立つ重要なツールになると思います。

 

 

――とても重要なことだと思いますが、いわゆる会社員を目指す就活でもそこまできちんとやっていることはあまりないのではないでしょうか。

高橋:「自分の人生をどうしたいのか」。自分の人生設計を描くことで、人生の目標や夢がイメージできたり、Visionを描くことが可能になります。それは、漠然と過ごしてきた学生にとって、初めて人生観や職業観を育む瞬間だと思います。

自分の人生がどうなっていくのかを考える『キャリアプラン』は、就職活動においてはたいへん有意義です。その際、押さえておくべきポイントは、『世のため人のためになること』であり、多くの人びとに喜ばれ感謝され、その対価としてお金を頂くことを理解することです。

 

 

――そこが欠落したまま、なんとなく社会人になるから若者は3年で離職する傾向がずっと続いているのでしょうね。

高橋:結局、軸を決めていないのだと思います。何を『軸』にするのか。それによって、見合った仕事(サロン)が具体的に見えてきます。

例えば、『仕事内容』なのか、『場所』なのか、『規模』なのか、『サロンコンセプト』なのか、『オーナーの考え方・ビジョン』なのか、『スタッフの雰囲気』なのか、『スタイリストたちの技術レベル』なのか、『福利厚生』なのか、あるいは『給与』を基準に仕事(サロン)を探すのか、などなど・・・人によってその軸は様々です。

しかし、軸を定めていかないと、いくら求人票を閲覧しても何も決められないし、いくらサロン見学(説明会)に行っても、面接志望サロンがしぼられてきません。

 

【学校概要】

  • 名称:
  • 国際理容美容専門学校
  • 所在地:
  • 東京都荒川区東日暮里5-17-12
  • 創設:
  • 昭和30年(国際高等理容学校)
  • 理事長/校長:
  • 和田 美義
  • カリキュラム:
  • ファッション学、文化論、来客実習、メイク他
  • HP:
  • http://www.kokusai-riyoubiyou.ac.jp/

Author:美プロ編集部

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