美容スペシャリストな自分になるために

更新:2017.11.17

作成:2017.03.15

セラピスト

自宅にサロンを開ける? セラピストが独立するためにかかる費用や方法とは

セラピストと言えば「アロマセラピー」が有名で、個人店からチェーン店まで全国各地にオープンしていますよね。セラピスト志望者の多くは美容スクールを卒業後、サロンに就職してセラピストとして働きますが、中には「独立・開業」を目指している人も多いそうです。とてもハードルが高いように感じるかもしれませんが、実際のところはどうなんでしょうか?

そこで今回はセラピストが独立・開業する方法をご紹介。一般的な流れやかかる費用、低予算で独立・開業する方法など取り上げていきます。また持っておくといいセラピストの資格も紹介するので、参考にしてみてください。

セラピストが独立・開業する為に必要なこと

上述したようにセラピストの多くは美容スクールや講習でセラピーの技術や知識を習得してからサロンに勤めています。その後、独立・開業する為にはセラピストの技術をさらに磨きながら、サロンの運営方法を学んでいくことが必要なんですね。セラピストとしての技術や知識も大切ですが、その他にもサロンを運営するノウハウの“ビジネスセンス”も重要。一般的にサロンの運営を担当できるようになるのは「店長」や「マネージャー」という役職に就いてから。20代前半で入社すると、30代までに「店長」や「マネージャー」に昇進する人が多いそうなので、それまではセラピストとしての技術を磨いたり、指名客を増やしたり、資格取得に励んでいるんですね。

また中には、サロンで働きながらセラピストの「独立支援」を謳っているスクールに通ったり、協会が開いているセミナー(講習・勉強会など)に参加して、独立・開業に必要なノウハウを学んでいる人もいるそう。昇進を待たずに独立・開業したい人は仕事と両立しながら勉強しているんですね。また、実際に店長に昇進した際にもこのノウハウが役立ちますよ。

 

セラピストとして独立に向いている人はどんな人?

セラピストが独立するとなれば、お店で雇われて働いているときに必要なアロマ関連の知識や、接客術だけではなく、ほかのスキルも必要です。

資金的に余裕がない独立当初は1人で来店するお客様全員に対応しなければなりません。

そのために、「体調管理ができる」「メンタルコントロールができる」この2点は成功するために最低限必要だといえそうです。

また独立すると、会社員時代よりお金の問題に向き合わなければなりません。

特に独立したばかりの頃は「お客様が集まらない」「経費を支払うだけで赤字になる」といったお金の悩みはつきものです。

まずは金銭管理をしっかりしつつ、集客能力を高めていかなければなりません。どこに立地するのかも大切ですが、立地条件がそこまでよくなくても繁盛しているライバル店もあるでしょう。つまり他店としっかり差別化を図っていくのがポイントになります。

また、雇われて働いていたときは、お店にいるだけで仕事がありましたが、独立すると自分で仕事を作らなければなりません。

自分で仕事を作るためには常にアロマの勉強をし続ける必要があり、「アロマやセラピストとしての仕事を心から好きだといえる」「積極的に勉強会などに参加して学ぶ心を忘れない」人は独立しても成功するでしょう。

 

独立・開業にかかる費用はどのくらい?

では実際に出店するとなると、どのくらいの費用がかかるのでしょうか? まず一般的な方法としてあるのが、“店舗を借りて”出店する方法。賃貸の費用は地域によって異なりますが、初期費用に敷金礼金が2カ月分かかるほか、仲介手数料や初月家賃がかかることが殆どなので、予定より多く見積もっておいた方が無難でしょう。

例えば仮に月10万円の物件だとすると、約60万円かかるといったところ。さらにサロンに必要なお客様の椅子やベッド、受付のカウンターなどを揃えていくので、1つひとつの価格にもよりますが、100万円は超えてきます。独立・開業にかかる費用の相場は100万円から300万円ぐらいまでと様々なので、自身の予算に合った物件を探しましょう。

あまり予算に余裕がない人には、「自宅をサロンにする」という方法がオススメです。一軒家を持っている人の場合だと、その中の一室を改装して個人店のサロンとして運営するんですね。中には実際に自宅をサロンにするためにかかった費用が、たった5万円だったという人もいるとか。持ち家なので、初期費用にお金がかかることなく、施術用のベッドやシーツ、オイルの備品を用意するだけで済んだんですね。また自宅がマンションの場合でも営業時間の間だけサロンとしてオープンしている人もいて、その場合には営業中は生活感が出ないように、施術に関係ないものを布で隠すなどと工夫しているみたいです。

独立・開業する際に持っておきたい資格

独立・開業すると個人店になるので、まず大事なことはお客様に「信頼」されることです。そして信頼を得る為には、セラピストとしての技術を証明してくれる資格が必要になってきますね。資格と一口に言っても様々な種類がありますが、ここでは「アロマセラピー」に絞った資格を紹介していきます。

メディカルアロマ検定2級、1級

「日本アロマセラピー統合医学協会」が認定している資格の1つ。現在は医療の現場でもアロマテラピーが利用されることがあり、その知識の習得を認定する資格です。2級の場合だと主にメディカルアロマの基礎知識を、1級になると難易度が上がって医療や介護現場などの仕事で活かせる知識の習得を証明してくれます。医療とありますが、この資格もアロマテラピーとしての立派な資格証明になりますし、誰でも受けられるので気軽に挑戦してみましょう。

AEAJアロマテラピー検定

「公益社団法人・日本アロマ環境協会」が発行している資格。アロマテラピーの基礎を修得したことを証明してくれる資格です。さらに上位の資格の取得を目指している人が、まずこの資格を取得することが多いですね。どの資格を取得すればいいかわからない人は、始めはこの資格を取得するのがオススメ。

AEAJアロマテラピーインストラクター

こちらも「公益社団法人・日本アロマ環境協会」の資格で、安全なアロマテラピーの実践方法を一般の人に教えられる能力を認定するもの。取得するためには「AEAJに入会する」「アロマテラピー検定1級に合格する」といった条件がありますが、これがあると独立・開業した際に他スタッフの教育に活かすことができるはず。

また美容スクールには独立・開業について学べて、さらに資格を取得するところまで支援してくれるところもあるので、一度に済ませてしまいたい人はそういったスクールを探してみるといいでしょう。

独立開業したセラピストの年収

セラピストとして将来は独立・開業したいと夢を抱いている人も、すでに資金集めに着々と動き出している人も、やっぱり気になるのは収入面。いざ独立・開業してみたら「思い描いていたのと違った…」なんてことにならないために、収入事情を紹介していきます。
 
まずは正社員として働くセラピストと比較する形で、収入システムを見ていきましょう。サロンに勤めている時に指名を多く受けると、その分「指名料」といった形で還元されるケースが多いもの。ですがサロン側が何割かを差し引くため、セラピスト個人が売り上げの100%を受け取れるわけではありません。しかし独立・開業すれば、売り上げの全てを自分で受け取ることができるように。もちろんサロン運営に関する様々な経費がかかりますが、営業に成功してサロンが繁盛すればその分収入が大きくアップするでしょう。サロンの経営次第ではありますが、正社員として働くよりも多くの収入を得るチャンスがあるのは間違いありません。
 
続いては最も気になる年収の相場について。人によってまちまちではありますが、独立・開業した場合の年収は300~400万円ほどと言われています。さらにオーナーとして従業員を雇い、店舗運営を拡大することに成功した場合には500万円を超えるケースも。サロンに雇用されているセラピストの平均年収は300万円弱とされているため、データ上も独立開業したほうが収入アップを望めることがわかります。
 

セラピストの独立開業を支援してくれる制度も

独立・開業を実現する際には店舗を借りる手続きを行ったり設備を揃えたりと、さまざまな準備が必要に。いくら熱意があってもすべて一人でこなすのは大変ですし、資金を集めるのも一筋縄ではいきません。そこで以下では一部のスクールや店舗で実施されている、独立・開業への「支援制度」を紹介していきましょう。
 
たとえば「一般社団法人 日本メンズセラピスト協会」では卒業後に独立・開業したい学生に向けて、サロンの集客方法や宣伝方法を説明。またオイルやタオルなど開業する際に必要な備品の仕入れ先や、サロンを構えることができるマンションの探し方なども教えています。
⇒『一般社団法人 日本メンズセラピスト協会』公式HP
 
ほかにも「独立支援制度」を設けている店舗では、融資や求人に関する実用的なアドバイスを受けられるところも。夢を叶えるための現実的な一歩として、サポートを受けることを検討してみてもいいかもしれません。
 
画像出典:WorldSkills UK / Beauty Therapy – Katie Wright (from Flickr, CC BY 2.0)matchfitskills / DSC_0003 (from Flickr, CC BY 2.0)WorldSkills UK / SquadUK competitor Ashlea Gissing. (from Flickr, CC BY 2.0)

Author:美プロ編集部

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