美容スペシャリストな自分になるために

更新:2024.04.12

作成:2017.10.30

美容師

休日と休暇の違いとは?美容師の有給を推奨するメリット


 

美容室のオーナーや店長が美容師の休日についてしっかり知識をもっていることで、安心して働けるサロンとなります。美容師は、技術を磨くためにサロンワークと練習を繰り返し、休息は後回しになりがちです。そんな美容師を管理して、ライフワークバランスを保ちながら働けるようになると、離職率も下がっていくのではないでしょうか。働き方を見直す人が多い今、お休みや待遇を充実させて、選ばれるサロンにしてみてはいかがでしょうか。

 

休日は法律で定められている

最低限の休日を保証する「法定休日」とは?

労働基準法では、労働者に対し少なくとも毎週1日の休日を与えるよう規定しています。どうしても毎週の休日付与が難しい場合は「変形週休性」として4週間に4日以上の休日を付与しなくてはなりません。このように法律で定められた最低限の休日を「法定休日」と言います。これに従わない事業主には6ヵ月以下の懲役、または30万円の罰金が科せられる場合があります。

「法定外休日」とは?法定休日との違いは?

法定外休日とは法定休日を除く休みのことです。たとえば土日が休日の企業なら土曜が法定外休日、日曜が法定休日という風に分けられています。この2つの違いは休日出勤した場合の賃金の割り増し率です。労働基準法では法定休日に出勤した場合、通常の1.35倍の賃金を労働者に支払うように規定されています。

 

7時間

7時間

7時間

7時間

7時間

土(法定外休日)

日(法定休日)
6時間×1.35倍の割増賃金

 

なお、ここで言う日曜日の法定休日の労働時間は、法定労働時間(1週間で40時間)の計算に含みません。上記のケースでは、月曜日から金曜日までの35時間が労働時間となり、法定労働時間を超過していないことになります。

 

ここで注意しなければならないのが、従業員が土曜日(法定外休日)に出勤した場合です。土曜日(法定外休日)に出勤した場合、法定労働時間に合算されます。法定外休日に出勤した分は、残業代として通常の労働時間の賃金を支払うことになりますが、法定労働時間を超過した分は、法定時間外労働として1.25倍の割増賃金を支払う必要があるのです。

 

7時間

7時間

7時間

7時間

7時間

土(法定外休日)
5時間+2時間×1.25倍の割増賃金

日(法定休日)

 

土曜日の7時間

5時間(法定時間内労働)+2時間(法定時間外労働)

 

土曜日の7時間の計算

5時間(法定時間内労働)×通常の賃金+2時間(法定時間外労働)×1.25倍の割増賃金

 

土曜日(法定外休日)と日曜日(法定休日)、どちらも出社した場合は、土曜日の法定時間外労務に1.25倍の賃金を支払い(法定時間内は通常の賃金を)、プラスで日曜日に働いた時間の1.35倍の賃金を支払います。

 

土曜日

5時間(法定時間内労働)×通常の賃金+2時間(法定時間外労働)×1.25倍の割増賃金

 

日曜日

5時間×1.35倍の割増賃金

「休日」と「休暇」の違いとは?

休日と休暇にちゃんとした違いがあることを知っているでしょうか?サロンオーナーは、ぜひこの違いを把握しておきましょう。

休日とは会社の規定によって定められた「労働義務がない日」です。休暇は「本来は労働義務があった」が労働者の申請によって労働義務を免除した日のこと。有給休暇がこれに該当します。そのため、有給休暇はもともと労働義務がある日にしか使えません。「未消化分が残っているから、休日を有給にして給与をもらう」ということはできないのです。

求人に出すときに要注意!完全週休2日制と週休2日制の違い


 

求人に載せられる企業の休み形態には「完全週休2日制」と「週休2日制」があります。この2種類には明確な違いがあり、勘違いしたままではトラブルに繋がってしまうことも…。2種類の違いを解説しますので、求人を出す際の参考にしてくださいね。

「完全週休2日制」とは

1年を通して毎週2日の休日が必ずあることを完全週休2日制と言います。休日は土日でなくとも構いません。平日と日曜や平日2日、シフト制でも週に2日の休みがあれば完全週休2日制と求人情報に記載することができます。ただし1年のうち、休みが1日しかない週が1週でもある場合は完全週休2日制にはなりません。

「週休2日制」とは

週休2日の週が毎月1回以上ある場合は、他の週の休日が1日であっても週休2日制に該当。毎週日曜と第3水曜が休日である場合や、基本的に土日が休みだけど年に1度だけ土曜出社がある場合も週休2日制として扱われます。

「完全週休2日制(土・日・祝)」と「完全週休2日制(土・日)・祝日」の違いとは

前者の場合は祝日が休みになる場合、土日どちらかが出社日になります。後者の場合は土日と祝日、どちらともお休みです。

意外と細かい決まりがある休日の表記。求人を出す際も大切なポイントになりますので、きちんと把握しておくようにしましょう。

美容師には有給はある?

有給休暇は労働基準法で定められた労働者の権利です。雇用から6ヵ月以上経過し、労働日の出勤率が8割を超えていれば全従業員に10日間の有給休暇が付与。1年ごとに日数が増加し、最大で年間20日間の有給が与えられます。

しかし、美容師の有給取得率は決して高くありません。有給取得率が海外に比べて低い日本。そのなかでも美容師をはじめとする生活関連サービス業・娯楽業は有給取得率が低く、厚生労働省が行った就労条件総合調査では付与日数が約17日であるのに対し、消化日数はわずか約6日です。美容師の有給取得率が悪いのは以下のような理由が考えられます。

人手不足

美容業界の人手不足は深刻な問題です。美容室の数は年々増加しており、ほとんどの美容院で人手が足りていません。スタッフが有給を取ると普段通りの客数に対応できず売り上げが落ちてしまうため、有給取得を許可しないケースもあるそう。

指名制度

スタッフの指名制を導入している美容室の場合、指名が入っている日や指名の可能性を考えると有給取得しにくいようです。

他のスタッフへの罪悪感

「まわりのスタッフが有給を取っていないから」「休むと他のスタッフの負担が増えるかもしれないから」と遠慮してしまうことも。しかし、有給休暇は労働基準法で定められた労働者の権利ですので、遠慮する必要はありません。また、お休みする理由も伝える必要はありませんので、「私用のため」とだけ書いて提出するのが一般的です。

 

ただ、企業には、どうしてもの場合に有給の希望日をずらしてもらう「時季変更権」があります。その場合には、お休みする時期を少し考え直さなければならないかもしれませんね。

有給取得しやすい美容室を目指すメリット

オーナーは有給取得しやすい職場環境を整えるようにしましょう。そのメリットはスタッフのみでなく、サロンにとってもあります。スタッフの離職率を下げられることはもちろん、求人を出す際にも有給取得率の高さをアピールすることも可能です。働きやすい環境を整えることは職場の雰囲気を良くすることにも繋がります。ぜひ検討してみてくださいね。

Author:美プロ編集部

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