美容スペシャリストな自分になるために

更新:2019.10.04

作成:2016.05.25

美容師

美容師独立の第一歩! サロン開業の初期費用をシミュレーションしよう!


 

「いつかは自分のサロンを持ちたい」という夢を持った美容師は多いのではないでしょうか? とはいえ、開業には莫大な費用が必要となります。技術とキャリアが成熟してきて、いよいよ独立…となった時、まず一番に考えなくてはならないのは資金の問題です。

 

開業にかかる資金の金額は、サロンの場所や大きさ、施術できる人数、こだわった内装などによって変わってきます。あなたの理想のサロンを作るには、どれくらいの資金が必要になるのでしょうか? 開業にかかる初期費用をシミュレーションして、夢を実現するための第一歩を踏み出してみましょう!

開業資金の内訳は?

様々な用途で多額の資金が必要となるサロン開業。まずは、開業資金の内訳を具体的に確認していきます。

物件取得費

必要な資金として、まず思い浮かぶのは物件にかかる費用ですよね。物件取得にかかる初期費用はテナントの条件によって大きく変わってきますが、1カ月分の家賃・敷金・礼金・仲介手数料に加えて、家賃6カ月分~10カ月分ほどの保証金がかかるケースが一般的。合計すると、だいだい家賃1年分の金額は初期費用として必要になるのではないでしょうか。

内装費

開業資金の中で最も大きな割合を占めるのが内装の工事費です。内装はオシャレなイメージを演出するために重要なポイントで、こだわりを持った美容師も多いはず。費用は内装のグレードによって大きく変わりますが、最低ラインでは1坪あたり20万円ほどになり、高級なものになると1坪50万円ほどかかってきます。

設備費

スタイリングチェアやシャンプー台、スチーマーといった施術に必要な設備をそろえなければなりません。スタイリングチェアは1台10万円~20万円ほど、シャンプー台は50万円~100万円ほどするものもあり、機材の台数によって必要な資金は大きく変わってきます。

材料費

開業した後に使用するシャンプーやカラー・パーマ材などの材料費も必須です。定期的に購入が必要になるものなので、こだわりを持つことももちろん大切ですが、なるべく低価格で良質なものを選ぶようにしましょう。

必要な材料

  • カラー剤
  • パーマ液
  • シャンプー/トリートメント
  • スプレーやワックスなどのヘアセット剤
  • ヘアオイル

消耗品費

開業後、材料費とは別に必要になるのが消耗品費です。シャンプー中に必要になるフェイスガーゼやシャンプー後に使用するタオル、カラー剤を塗布する際に使用するゴム手袋など、美容室の中には意外と消耗品がたくさんあるのです。

普段自分が働いている姿をイメージして、何が必要になるのかを書き出してみましょう。

必要な消耗品

  • フェイスガーゼ
  • イヤーキャップ
  • ゴム手袋
  • ホイル
  • ラップ
  • コットン
  • ゴム

開業資金をシミュレーション!


 

開業資金の内訳がわかったので、次は、実際に金額をシミュレーションしていきましょう。まずは条件を設定します。(ここでは仮の条件で説明します)

条件設定

サロンの広さと設備は、余裕をもってセット面が4面、シャンプー台を2台設置できるスペースのある14坪の広さ。家賃が20万円、一般的なグレードの内装

物件取得費

最初に家賃1年分と敷金や保証金がかかると考えると、物件取得費は240万円ですね。

内装工事費

1坪あたり30万円かかると考えて、14坪で420万円とします。

設備費

シャンプー台が2台で100万円、セット椅子4台で50万円で、合わせて150万円。他にスチーマーや施術に使うワゴン、シャンプーなどの仕入れ品で50万円と想定すると、設備費の合計は200万円になります。

 

以上、物件取得費・内装工事費・設備費を合計して860万円の開業資金が必要になりますね。他にも設備を増やしたり、内装のグレードを上げたりするとさらに費用はかかっていきます。

開業資金を抑えたい…小規模サロンだといくら?

次に、できるだけ資金を抑えるために小規模のサロンを開業したいという場合、どれくらいの資金があれば開業することができるのでしょうか? 従業員を雇わずに自分一人で運営するとして、以下の条件で考えてみましょう。

条件設定

セット面が2面、シャンプー台1台、10坪ほどの広さ、内装のグレードは通常よりもやや低め

物件取得費

家賃は立地が良いと狭くても高くなってしまうので20万円ほどと設定し、家賃1年分の敷金や保証金がかかると考えると、こちらも物件取得費は240万円です。

内装費

費用を抑えるためにグレードを下げて設定し1坪20万円。10坪で200万円ほどかかると考えておきましょう。

設備費

設備品はシャンプー台1台とセット椅子2台、その他の設備を加えて100万円ほどと想定します。

 

以上を全部合わせると、540万円という開業資金に。このくらいの金額なら、何とか捻出できるかもしれないという美容師もいるのではないでしょうか?

運転資金も忘れずに!


 

開業資金には含まれませんが、きちんと計算に入れておかなければならないのが広告費や従業員の人件費、消耗品などで継続的に必要になる運転資金です。運転資金の用意がなくても開業することはできますが、開業した直後からどんどん利益を出していけるサロンはあまりありません。できれば半年ほど、最低でも3カ月分の運転資金は計算に入れて、開業資金とは別に準備しておきましょう。

必要な運転資金一覧

広告費

オープンを告知するチラシやダイレクトメール、集客サイトへの掲載費用など。サロンの公式サイト制作を外部に依頼する場合、その依頼費用も広告費に含まれます。

人件費

新しいスタッフを採用する場合にはその採用にかかるコスト、毎月支払う給料や交通費、年に数回支払う賞与も人件費に含まれます。

光熱費

サロンで使用する水道代、ガス代、電気代

家賃

サロンが賃貸の場合、毎月支払う家賃

消耗品費

シャンプーやカラー剤、パーマ液などの材料費、及びゴム手袋やイヤーキャップなどの備品にかかるコスト

その他雑費

お客様に提供するドリンク代、施術中に読む雑誌代など

 

1カ月の運転資金は50万円~100万円ほどになる場合が多いです。運転資金の中で広告費や消耗品の仕入れ費には波があり、たとえば新聞折り込みのチラシは1日で20万円ほどかかるのですが、月々変動していきます。3カ月分の運転資金と考えると、開業資金とは別に150万円~300万円ほどの用意が必要ですね。

 

家賃が安い立地を選んだり設備を中古品にしたりすれば、初期費用はもう少し抑えられるかもしれません。また、とにかく費用を抑えたいという場合、以前テナントとして利用されていて、内装が済んでいる物件を利用するという方法もあります。自分がどんなサロンを開業したいかをしっかりと考えて、資金の目標を明確にしておきましょう!

美容師が独立する際の資金繰り―助成金について

自分のサロンを持つことへの夢と希望が膨らむ一方で、経営を軌道に乗せるまでの資金繰りについて不安を抱くこともありますよね。そんな時に活用したいのが様々な助成金の存在。

 

助成金は給付金とも言い換えることができ、希望する人に「給付」されるもの。すなわち返済する必要はありません。助成金は数多く存在していますが、サロン開業の際に給付を受けやすいものとしては「創業促進補助金」「小規模事業者持続化補助金」があげられます。今回はその2つについてみていきましょう。

 

「創業促進補助金」は、サロンの新規開業のように新たに個人事業または会社の設立などを行った場合に適用可能。また、親などが既に営んでいた事業を後継者が引き継ぎ、業態転換して新たにサロンを開業した場合でも補助対象となります。補助金額は100~200万円となり、補助対象は様々な「経費」に対して適応されます。詳しくは公式ホームページに記載されている情報をチェックしましょう。なお補助金は後払いとなっており、サロンの開業後に報告書などの必要書類を提出し、審査を通過すれば給付されます。

 

「小規模事業者持続化補助金」は、全国の小規模事業者が対象。補助の上限金額は50万円となっています。こちらはサロンのホームページ・折込チラシ制作など“広告費”や、事業に関わった専門家への“謝礼”、“外注費”など多岐にわたる用途に使用が可能。給付を受けるには審査が必要となるため、申請の際には条件をきちんと確認することが大切ですよ。

美容師が独立する際の資金繰り―融資について


 

助成金とは異なる資金集めの方法として“融資”があります。融資は助成金とは異なり、金利をつけて返済しなければいけません。銀行などから融資を受ける方法もありますが、美容師に多いといわれているのは「日本政策金融公庫」からの融資と市町村からの融資である「制度融資」の2つ。

 

「日本政策金融公庫」は政府が出資している金融機関の1つで、民間の融資会社があまりやりたがらない新規開業者への融資を積極的に行っています。“新規開業の推進”を目的としているため、他に比べて金利が安く、返済終了まで金利が変動しないのが特徴。最長で20年、返済に時間をかけられることも民間の融資会社とは異なっています。

 

それに対して、各自治体が行う事業融資の多くは「制度融資」と呼ばれるもの。この融資は地域の活性化や発展を目指して、各自治体と金融機関が協力して実施しているものが多くなっています。そのため、金利が低くて積極的に融資を行ってくれる点がメリット。ですが融資を受けるまでに時間がかかることも多いので、注意が必要です。

Author:美プロ編集部

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