美容スペシャリストな自分になるために

作成:2021.07.30

美容師

独学で勉強して美容師免許は取れるのか?その勉強法や美容師になる方法


 

美容室で働く美容師になりたい!」と、そう思う人も多いのではないでしょうか。洋服のセンスも良いしトークも上手、メイクも上手で、性別問わず憧れを抱く人はいるのでしょう。さて、美容師という職業はゼロからスタートでなれるものなのでしょうか。独学で自分なりに勉強して、美容師を目指せるものなのでしょうか。そのあたりを詳しくご説明していきます!独学で美容師になろうと考えている方は、是非、参考にしてみてくださいね。

 

INDEX
■独学で美容師免許は取得できる?
■独学で練習する美容師免許の実技試験
■独学で勉強する美容師免許の筆記試験
■美容師免許の難易度はどれくらい?
■中卒もしくは社会人でも美容師になれる?
■どんな美容師になるか考えて進路を決める

独学で美容師免許は取得できる?


 

独学で美容師免許は取得できる?」という問いに対する答えとしては、残念ながら不可能です。独学で試験勉強をするというのはとても良い事なのですが、美容師免許を取得する前に厚生労働省が定める美容師養成施設(専門学校)に通い、卒業する事で美容師免許の受験資格が付与されるのです。ですので、専門学校に通わずに独学だけで試験に挑むという事が不可能という事になります。

 

独学で技術を身に付けたり知識を増やせたりしても、美容師免許を取得しない事には美容師にはなれません。美容師のお仕事は、ハサミ(シザー)を使ってお客様の髪の毛を切る事なので、医療行為にあたります。従って、美容師になる人は美容師免許を取得していなければならないのです。

独学で練習する美容師免許の実技試験


 

美容師免許の実技試験で行われるのは、「衛生上の取扱試験」と「基礎的技術試験」の二つ。ただカットが出来るだけでは合格する事はできません。衛生面に関しての配慮が足りているかどうかも審査される事になります。とは言っても、第一課題となる「カット」や第二課題となる「オールウェーブセッティング」「ワインディング」が出来ない事には話にならないので、マネキンを購入するか練習台になってくれる人を探して練習に取り組みましょう。

 

そして、独学で練習する際にも忘れてはいけないのが、一つの課題にどれだけの時間がかかったかという事。常にタイムを計りながら何度も練習をします。第一課題となる「カット」はレイヤーカットを20分以内にできる事、第二課題となる「オールウェーブセッティング」はオールウェーブを25分以内にできる事、「ワインディング」は4種類、60本以上のロットを20分以内に巻ける事。これらのタイムを過ぎてしまうようであれば、まだまだ練習が必要です。

 

また、カット練習の際には、自分の立ち位置や目線の位置などにも意識しておくと良いでしょう。実際に美容師として働くようになれば、お客様の座高の高さはまちまち。どんな高さの人でも、自分が得意とする位置を見つけておくと良いですよ。鏡を見ながら切る練習も必須です。自分の目線で切り続けていると、全体のバランスが掴みづらくなります。仕上がりがアンバランスだと合格も遠のきますので、しっかり左右対称に基本のカットが出来るようにしていきましょう。

 

独学で勉強する美容師免許の筆記試験

独学で勉強する場合、実技試験より筆記試験の方が対策しやすいのではないでしょうか。筆記試験で出題される項目は、「関係法規・制度」「公衆衛生・環境衛生」「感染症」「衛生管理技術」「人体の構造及び機能」「皮膚科学」「美容の物理・化学」「美容理論」とたくさんあり、100点満点中70点が合格ラインです。これまでに出題された過去問が公開されているので、上手く活用しながら覚えていきましょう。

 

とは言っても、こんなにたくさん覚えられるかな…と不安になる人もいるでしょう。受験勉強や座学に慣れていない事も考えられますので、まずは慣らしていくために自分の得意科目から進めていくと良いですよ。1日の中で、この時間帯は勉強するという風に決めて習慣にしていくのもオススメです。

 

そして、人の記憶は薄れていくものなので、一度勉強したからと言って試験の日までおさらいしないのはNG。何度も繰り返してインプットしていくようにしましょう。また、たまには気分を変えて、カフェや図書館を利用する、電車の通勤・通学中のスキマ時間を活用するなど、飽きないように工夫して続ける事が大切です。

 
参考⇒理容師美容師試験研修センター「過去の筆記試験問題」

美容師免許の難易度はどれくらい?

実際、美容師免許って取りやすいの?」と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。美容師国家試験の難易度は、他の国家資格に比べると優しいと言われています。毎年2回開催されますが、1回目より2回目の方が合格率は高い傾向にあります。どのくらいの人が受験して、どのくらいの人が合格しているのかを理容師美容師試験研修センターのデータを見ていきましょう!

 
【美容師国家試験:平成28年度から令和2年度の合格率】
 

平成28年度 1回目

受験者数:5,148人

合格者数:2,884人

合格率:56.0%

平成28年度 2回目

受験者数:18,526人

合格者数:16,498人

合格率:89.1%

平成29年度 1回目

受験者数:5,117人

合格者数:2,873人

合格率:56.1%

平成29年度 2回目

受験者数:18,219人

合格者数:15,635人

合格率:85.8%

平成30年度 1回目

受験者数:5,076人

合格者数:2,565人

合格率:50.5%

平成30年度 2回目

受験者数:18,521人

合格者数:15,956人

合格率:86.2%

令和元年度 1回目

受験者数:5,134人

合格者数:2,982人

合格率:58.1%

令和元年度 2回目

受験者数:17,288人

合格者数:14,709人

合格率:85.1%

令和2年度 1回目

受験者数:4,853人

合格者数:2,993人

合格率:61.7%

令和2年度 2回目

受験者数:18,107人

合格者数:15,502人

合格率:85.6%

 
参考⇒理容師美容師試験研修センター「過去の試験実施状況」
 

この5年間を見てみると合格率は、1回目で50~60%程、2回目で85~89%程という事がわかります。1回目の試験に合格できなかったとしても、2回目の試験には晴れて合格している人も多いのかもしれませんね!

 

中卒もしくは社会人でも美容師になれる?

最終学歴が中学校卒業だったり一度会社勤めをした人だったり、美容師を目指す人が置かれている状況は様々です。技術職である美容師ですが、学問や社会人としてのマナーが問われる事になるのでしょうか。ここでは、中卒もしくは社会人でも美容師になれるのかをご説明していきます。

中卒から目指す


 

中学校を卒業してすぐに美容師への道を目指したい!という方もいると思います。高校に進学しなくても、美容室で雇ってくれるのかなと悩んでいる人もいるでしょう。

 

結論から言うと、中卒で美容師になる事はできます!厚生労働省のページ(理容師・美容師免許の取得まで)には、専門学校への入所資格として「高等学校卒業者(当分の間は中学校卒業者も可)」と記載されています。美容師になるには、必ず美容師免許が必要になりますが、そのもう一段階手前の専門学校へ入所するのに中卒でも問題ありません。あとは、ここから技術と知識を身に付けて、国家試験に挑むという事になるのですね。

 

一般的な企業では、高卒や大卒が就職する上で有利に働く事もありますが、美容師という職業は学力より技術、人柄を重視する傾向にあります。そのため、中卒だから働けないという事はなく、技術習得のために向上心を持てる事や努力できるという事が、採用されるポイントとなるのかもしれません。

 
参考⇒厚生労働省「理容師・美容師免許の取得まで」

社会人から目指す


 

美容師以外の職に就いたけど、やっぱり美容師になる夢を諦めきれない!という人もいるはず。30~40代になってからチャレンジする人も少なくありません。専門学校の入所資格が中卒という事もあって、それをクリアしていれば社会人でも美容師になる事はできますよ。

 

しかし、専門学校に通う必要があるので、今勤めている会社を辞めなければいけないという問題が出てきます。もちろん、その間の生活費を負担してくれるわけでもないので、空き時間にアルバイトなどをして生活していく事になるでしょう。学費を払いながら生活もできる位、社会人時代に貯金が出来ていれば話は別ですが、学校とアルバイトの両立ができる人がチャレンジできるという事なのかもしれないですね。それなら、専門学校の通信課程なら働けるのでは?と思う人もいるでしょう。通信課程の場合、学校によっては「美容室で働きながら通う」という条件を定めている所もあるので、一般企業に勤めるという事は難しいと言えるのです。美容室で働く事で現場を知り、昼間に専門学校へ通っている人より早く社会勉強ができるといった意味でも、美容師としてのデビューが早まる可能性もありますよ。

どんな美容師になるか考えて進路を決める

美容師と言っても、ただ美容師になるのではなく、それなりに将来のビジョンを思い描くのではないでしょうか。一人前のスタイリストになりたいのか、もしくは、その先に自分のお店を持ってオーナーとして働きたいのか、考えてから進路を決めると良いでしょう。どうなりたいかによって、一つ一つの選択が変わってきます。

 

例えば、一人前のスタイリストをゴールとしている人であれば、中卒でも高卒でも問題なく専門学校の通信課程に進みます。通信課程で学びながら、美容室に就職しアシスタント業務をこなしていきます。通信課程での勉強と美容室での実践を積み重ね、国家資格を取得します。専門学校の卒業や資格取得に合わせて、それまでに独り立ちできるほどの技術を磨いて行きます。

 

一方、独立して自分のお店を持つ事も視野に入れて美容師になるという人は、高校を卒業してから大学に進学し経営学を学ぶと良いのではないでしょうか。大学を卒業してから専門学校に通うのも良いですし、同時に通信課程で学んでいくというのも良いでしょう。この場合も、美容室でアルバイトしながら働く事になるかもしれません。

 

どのような状況にあっても、技術がある事が大前提である職業です。独学で学ぶのも良いですが、技術を習得するにはやはり「専門学校」と「美容室で実践」の組み合わせが一番の近道ではないでしょうか。未経験者を受け入れてくれる美容室はたくさんありますので、技術が備わってなかったとしてもチャレンジしていきましょう!

 

 

Author:美プロ編集部

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