美容師資格は取得しやすい?「美容師国家試験」の内容や合格基準を大公開!!

美容師資格は取得しやすい?「美容師国家試験」の内容や合格基準を大公開!!

金髪の子供

Nathan / Toilet training blues (from Flickr, CC BY 2.0)

毎年2万5千人以上もの人が受験する“美容師国家試験”。この中の多くの人が、美容師国家試験を受けて、4月からそれぞれのサロンで働き始めています。しかし、実際に全員が全員受験するわけでも、合格するわけでもありません。

また、今年卒業を迎える人だけが試験を受けるとは限らず、数年前に学校を卒業した人、以前受けたけど不合格だった人などさまざま。では、実際にどのくらいの人が毎年受けて、合格しているのかを見ていきましょう。

美容師国家試験の試験内容とは

美容師国家試験では、筆記試験と実技試験が行われます。

筆記試験

筆記試験では美容師に必要な知識を問い、実技試験ではウィッグを指定された髪型通りにカットできるかを判断します。知識とスキルの両面が備わっているかで試す場といえるでしょう。

試験では以下の8つのジャンルが出題されます。

  1. 関係法令・制度
  2. 公衆衛生・環境衛生
  3. 感染症
  4. 衛生管理技術
  5. 人体の構造及び機能
  6. 皮膚科学
  7. 美容の物理・化学
  8. 美容理論

ちょっと見るだけでも頭が痛くなる感じですが、美容師国家試験に出る内容なので、簡単に説明していきます!

関係法令・制度

関係法令・制度では、美容師に関連する制度や法律についての問題が出されます。

公衆衛生・環境衛生

公衆衛生・環境衛生では、過去に「2012年の日本における死因1位と2位の組み合わせを選べ」(正解はがんと心臓病)といった問題が出されました。基本的に、社会と衛生に関する知識を問います。

感染症

感染症では感染病の知識について問われ、過去には「感染症法の三類感染症になったら、特定の職業に就けなくなるか」(正解は○)といった問題もありました。

衛生管理技術

衛生管理技術では美容室の衛生を保つために必要な知識を、

人体の構造及び機能

人体の構造及び機能では体の仕組みに関する知識を、

皮膚科学

皮膚科学では皮膚の構造に関連する知識を問われます。

美容の物理・化学

美容の物理・化学では美容に関する知識を問われ、過去には「石けんは陰イオン界面活性剤かどうか」(正解は○)が出題されました。

美容理論

美容理論では、「ヘムラインはヘアデザインを作ることでできた髪と顔や首との境目で合っているかどうか」(正解は○)のような問題が出され、実務的な知識を試されます。

実技試験

実技試験では、ウィッグを使用して美容師のスキルをチェックしています。課題は2つに分けて出されます。

第一課題が「カッティング」、第二課題が「セッティング」です。合格の基準は減点が40点未満であるかどうかです。

第一課題「カッティング」はレイヤーカットを20分以内にできるかどうか。

第二課題「セッティング」はA. ワインディング、B. オールウェーブセッティングの2つがあり、毎年試験前にどちらか発表されます。

A. ワインディングでは4種類、60本以上のロットを20分以内に巻けるかどうか。

B. オールウェーブセッティングではオールウェーブを25分以内にできるかがそれぞれ問われます。

特に第一課題「カッティング」のレイヤーカットと第二課題「セッティング」のワインディング技術は、実際の施術でも多く使われるので、しっかり対策しておきましょう。

また、実技試験中には「衛生実技試験審査」も同時進行で行われています。

内容は①「動的審査」、②「静的審査」、③「確認的審査」の3つに分かれます。

それぞれ簡単にどこを見ている審査なのかをお伝えします。

①「動的審査」は、試験中に技術を安全かつ衛生面に留意して進めているかどうか。

②「静的審査」は、試験を開始する前の受験者の身体と服装、また使用する用具類が、試験においてふさわしいものであるかどうか。

③「確認的審査」は、試験終了後に用具類の衛生的処理状況について正しいかどうかです。

ポイントしては、まず身だしなみがちゃんとしていて、清潔感があるかどうか。用具においても正しく取り扱いができているかどうか。また実技試験での緊張状態で、用具を落としたり、手を切ったりしてしまった場合に、落ち着いて冷静に対応できるどうか、等が見られています。

想定外の事が起こるとパニックになってしまうので、試験の前にいろんな場合をシミュレーションして、資格取得を目指してください。

受験申込者数は2万人越え!

試験は年に春と秋との2回開催。毎年2万5千人以上が受験をし、約3分の2が2月に、残りの約3分の1程度の人が8月に受験します。卒業の集大成という事で2月は多くの学生が試験を受けるので、8月の倍以上もの人数が集まるようです。

しかし、応募人数が少ないから8月の方は会場も少ない、なんてことはありません。2月と同様の会場数が設けられており、試験問題自体も難易度は同じなので安心してください。もちろん、服装や持ち物などの厳しさも同じですよ。

実際の合格した人ってどのくらい?

下記の試験実施状況からもわかるように、2月の試験の合格率は約80パーセントから90パーセント程度、8月試験の場合は約50パーセントから60パーセントと、大きな差があります。

第36回美容師国家試験

受験申込者数:5,388人

受験者数:5,117人

合格者数:2,873人

合格率:56.1%

 

第35回美容師国家試験

受験申込者数:18,768人

受験者数:18,526人

合格者数:16,498人

合格率:89.1%

しかし、時期によって試験の難易度が変わるということありません。近年では美容師国家資格の取得に力を入れる美容学校も多く、専門学校の生徒の合格率が高くなってきているので、専門学生の受験者が多い2月はそれに比例して合格率が高くなっているのです。

 

引用元:公益財団法人理容師美容師試験研修センター

試験はどのぐらい難しいの?

前の文を見て不安に思った人もいるかもしれませんが、不合格者がいるとはいえ合格者も多いので、真面目に勉強をしていれば取りやすいとも言われています。他の国家試験、例えば司法試験などでは合格率は20%台というのも当たり前の世界なので、美容試験は比較的合格しやすいと言えるかもしれません。

筆記試験については多くの学校で十分な対策をしてくれているので、そこで学びつつ復習を兼ねれば大丈夫。実技に関しては、日頃から一つひとつの練習を真剣にこなすこと。どんなときでも基本の技術を披露できるようにしておけば、本番で慌てることもありません。

しかし、合格しやすいとは言え、ひとつ怠っただけで合格のチャンスを逃してしまうかもしれないので気は抜けません。

合格の基準って?

実際に試験を受けてみたけど、何が基準なのかよく分かっていない。不合格に納得できない! という人もいるはず。そこで、試験合格につながる基準を紹介していきます。

筆記試験の合格基準

筆記試験は、関係法規・制度、公衆衛生・環境衛生、感染症、衛生管理技術、人体の構造及び機能、皮膚科学、美容の物理・化学、美容理論の課目の中から、50問出題されます。50問中60%以上の正答率があれば合格出来ますが、それぞれの課目に一つでも無得点があると、その時点で終了してしまいます。どれか一つに力を入れすぎてしまうと、他の課目が疎かになってしまうので、バランスよく勉強しましょう。

実技試験の合格基準

実技試験は「減点方式」になっています。まず、第一課題としてカッティングの技術力を試され、ここでは減点が40点以上になると失格となります。また、オールウェーブセッティングなどの整髪は、減点を50点以下に抑えなければいけません。さらに、カット者の身体の衛生状態や用具の衛生上の取り扱いも審査対象となり、こちらは30点以下の減点が基準となっています。実技は筆記よりもかなり細かい基準値になっていますが、焦りは禁物。落ち着いて、いつもの様子を思い出しながらやりましょうね。

実はありがち? 不合格者の傾向

春試験の合格者数は9割近くあり、新卒者だけを見てみるとその割合はもっと高くなります。しかし、中には残念ながら不合格になってしまった人も…。実は不合格者の人に特徴と傾向があったのをご存知でしょうか?

当日の体調不良

どれだけ真面目に授業を受け、準備をしていても、体調を崩してしまっては元も子もありません。無理して行ったとしても、実技で十分なパフォーマンスもできなくなってしまいます。初春はインフルエンザなどがまだまだ流行している時期ですから、体調を崩すことなく、万全の状態で受験できるように準備しておきましょう。

授業を真面目に受けていない

授業にも出席して、学校にも毎日行ってる! といっても、授業の内容に集中していなければ意味がありません。興味の湧かない課目もあるかもしれませんが、そこはじっと我慢して、学校で覚えきっちゃうくらいの勢いで臨んでみてください。

道具を大切に扱っていない

どんなにカットやパーマの技術が優れていて、実技の面で問題がないとしても、道具の手入れを怠ったっていたり、本番で指示通りに道具が使えなければ不合格になってしまいます。せっかくの努力を無駄にしないためにも、ハサミなどの道具は丁寧に扱いましょう。

試験の合格率は違う?専門学校の全日制と通信制コース

美容師の国家試験を受けるためには、理容師・美容師の養成施設を卒業しなくてはいけません。しかし、働きながら勉強をしたいという人にとって全日制のコースに通うのはなかなか難しいもの。そこで利用したいのが通信制の専門学校。1998年4月1日以降に入学した人に関しては、昼間課程なら2年以上、通信課程なら3年以上の過程を修了すれば、受験資格を得ることができます。

 

気になる合格率ですが、全日制のコースでは90%以上の合格率を謳う学校が多く、通信制でも90%近い合格率を出している学校も。しかし一般的には、通信制コースの方が合格率が低いと言われているよう。自分のペースで勉強に取り組まなければならないため、個人のモチベーションを保つのが全日制に比べて難しいというのも理由のひとつかもしれません。

 

では実際に教育カリキュラムはどう違うのでしょうか。とある専門学校の通信課程では、10月に入学し、その時点では自宅で教材学習をスタート。その後3月と7月~8月の決められた日数のみ学校に行き、実技などを学ぶ「スクーリング」を行います。通学が必要なのは決まった期間のみなので、仕事をしている人も試験勉強しやすいシステムになっているのが特徴。国家試験の勉強については3年目の夏に対策授業を受けることができ、その後8月と9月に試験本番を迎えるという流れのようです。

不合格になった場合、次の試験はどうなる?

美容師の国家試験の科目は、「実技試験」と「筆記試験」に分かれます。そのため、もし一方の試験で不合格になった場合、次の試験ではどうなるのかと疑問に思う人も多いのではないでしょうか。

 

実は、筆記と実技の両方を受験し「片方のみ合格」した場合、次回の試験では合格した方の科目は試験を「免除」されるという制度になっています。しかしそのためには申請が必要なので、該当する人は事前にしっかり確認し次の試験に臨んでくださいね。

 

また、試験に落ちてしまった再試験者も学ぶことができる「美容予備校」など、卒後でも国家試験対策ができる場所もあります。一人で勉強をするのはモチベーションが保てるか心配、勉強の仕方が間違っていたから落ちてしまったのでは、と不安に思っている人はぜひ利用して、再び試験に挑戦するのも手かもしれません。

 

繰り返しになりますが、ここできちんと資格取得のための情報をおさらいして、しっかり対策を練っておけば、それなりの結果が付いてきます。後は試験の前にゆっくり深呼吸をして、緊張をほぐすだけ。ぜひ次の合格者の一人になれるよう、頑張ってくださいね。

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