美容スペシャリストな自分になるために

更新:2019.03.29

作成:2016.04.16

美容師

大切なパートナーと少しでも長く一緒にいるために! ハサミを正しくお手入れしましょう


 

1本数万円、高いものになると数十万円もする美容師のハサミ。値段が値段なだけに、簡単に買い替えることもできませんし、自分の手や好みに合うハサミを見つけるのは大変。なにより一緒にがんばってくれている相棒は、大切に使ってあげたいですよね。

 

今回は、ハサミの扱い方やメンテナンスについてご紹介。ハサミの保存の仕方や毎日のお手入れ方法、職人さんによるメンテナンスまで、あなたの相棒を長持ちさせるコツをご紹介します。

ハサミの天敵を知ろう!

ハサミを長く使うための敵は“サビ”。ステンレスなどの金属は水と酸に弱く、それらがついたまま放置しているとサビが生じてしまいます。刃がサビてしまうと、切れ味が落ちるだけでなく衛生的にも良くありません。濡れた髪やスタイリング剤がついた髪をカットすることも多いサロンでは、使ったままのハサミを放っておくとサビやすくなってしまいます。そのため1日の最後の仕事として、毎日ハサミをお手入れするのを心がけておくと良いですね。

 

そして、ハサミの最大の敵は“落下”です! 美容師のハサミはかなりデリケートなもの。ハサミを少し落としただけでも、刃のかみ合わせが変わったり、刃が欠けたりします。そうなると自分自身が使いにくくなるだけでなく、切れ味も悪くなり、結果的にお客様のためにもなりません。なので、ハサミは絶対に落とさないこと! 万が一落としてしまった場合には、そのまま使わずになるべく早めに職人さんに調整してもらいましょう。

毎日のハサミケア

ハサミを長く使うためには、1日1回、仕事が終わった後にお手入れをするようにしましょう。以下のものを準備したらさっそくお手入れスタート! と言いたいところですが、 ハサミは刃物なので、ケガをしないように慎重にお手入れしてくださいね。

 

  • ハサミ用セーム皮
  • オイル
  • ティッシュペーパー
  •  

    セーム皮はハサミを購入した時に付属でついていることが多いので、そちらを使ってOK。ただ、何枚かを重ねて使えばケガ防止にもなるので、複数用意しておくのが安心。また年に一度は中性洗剤で洗うか、買い換えを行うと汚れを拭き取りやすくなりますよ。

     

    お手入れ手順

    1.まずは今日1日の汚れを拭き取ります。

    セーム革を使って、1日の汚れを拭き取ります。水分だけではなくパーマ剤やスタイリング剤などもサビの原因になるので、丁寧に拭き取りましょう。

    2.オイルを塗る

    ハサミを開いた状態にして、以下の部分にオイルを塗ります。

     

  • ハサミの支点(刃と刃が接している部分)
  • ハサミ中心のネジ部分
  • 刃の裏スキ部分
  • 3.セーム皮で磨く

    2でオイルを塗った場所をセーム革で磨きます。この時、ハサミは刃が下向きの状態で作業をすること。刃を下に向けることで、ハサミの支点に詰まった汚れなどがオイルをつたって流れていきます。

     

    刃を拭く時は刃元から刃先へセーム革をすべらせるように拭き取りましょう。ケガをしやすい作業なので、気をつけて拭きとって下さい。セニング(スキバサミ)のクシ刃の場合も同じ。クシ刃の刃元部分から刃先に向かって1本1本のあいだの汚れを落とすように、丁寧に拭き取りましょう。

    4.オイルをふき取り、切れ味をチェック

    静刃・動刃ともにオイルがきれいに拭き取れたら、最後は切れ味のチェックです。実際にティッシュを切ってみて、切れ味を確認してください。このとき剣先が滑らずスパッと切れればOKです。

     

    はさみの正しい保管方法

    お手入れだけではなく毎日の保管の仕方でハサミの持ちも変わってくるので、保管方法にも気をつけてみましょう。まず刃は閉じきった状態で保管してください。そしてハサミを傷つけないために、いくつかのハサミ同士を重ねたりすることも避けましょう。ハサミケースやハサミスタンドによっては、1つひとつを独立させて保管できるものもあるので、これらを使ってみるのもオススメ。

     

    定期的に研ぎに出してみましょう

    「ハサミは毎日お手入れしているのに、カットがうまくいかない」「切れ味が落ちて、指が疲れる」と感じたら、専門の職人さんにハサミの“研ぎ”を依頼してみましょう。どんなに毎日お手入れをしていても、使えば使うほどハサミの切れ味は落ちていきます。職人さんに研いでもらうことで、切れ味が落ちるのを防いでもらえるので定期的にメンテナンスをしてもらいましょう。

     

    ここで注意しておきたいのが、研いでもらう期間のこと。ハサミを研いでもらったり、調整してもらう場合には、ある程度の日数がかかります。職人さんや会社によって異なりますが、数日程度で終わるところもあれば、数週間かかるところも。どちらの場合でも、研ぎに出している間はハサミがない状態になるので、予備のハサミを準備しておくと安心です。

     

    どんなに良いハサミを使っていても、お手入れやメンテナンスができていなければ、長く使えないだけでなく、ハサミがもつ本来のパフォーマンスも発揮できません。少し面倒かもしれませんが、自分のために、またお客様のためにも、毎日のお手入れや定期的なメンテナンスをしていきましょう。

    Author:美プロ編集部

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