美容スペシャリストな自分になるために
カットモデルを探す美容師の【スカウト術】と、カットモデルに【なる方法】
美容師を目指す人の間で「カットモデル」という言葉を、よく耳にしますよね。友人が美容師を目指していると、全く知らなかった「カットモデル」の事を知り、「自分もカットモデルになってみたいなー」と想いを抱く人もいるのではないでしょうか。
美容師からすると「カットモデル」は、スタイリストになるための登竜門とも言われ、サロン内でのアシスタント業務の他に、「カットモデル探し」をしなければなりません。
今回は、スタイリストを目指すアシスタントの練習として「カットモデル」になりたい人と、意外と難しい「カットモデル探し」をしていくアシスタントの両面から見ていきましょう。
INDEX
■2種類のカットモデルをご紹介
■カットモデルになりたい人向け
■カットモデルをスカウトする美容師向け
2種類のカットモデルをご紹介
美容師のカット練習のためのモデルを「カットモデル」と思っている人も多いかと思いますが、実は、カットモデルには2種類の場面で重宝されるのです。まずは、よく知られている「アシスタントの練習モデル」。
美容師アシスタントが、お客様の髪の毛を切れるようになるスタイリストを目指すには、カットモデルを使った実技テストがあります。このカットモデルが見つからない事には、スタイリストになれないのです。
モデルも「カットモデル」と「カラーモデル」の2種類に大きく分かれており、サロンによっては「ブローモデル」というのもあります。練習用のモデルは、顔やスタイルは重要視されず、髪の毛の長さやカラー、髪質などを重要視します。
関連記事:カットモデルとは?
もう1つは、「美容師の撮影用・コンテスト用モデル」。
流行りのヘアカタログやサロンの紹介用にカットモデルが起用されます。このように撮影用にお願いをするモデルさんは、このような撮影をお願いするモデルは、ある程度見栄えがよくなるように顔の形やカットに合う顔立ち、プロポーションなども重要視します。
また、年に数回カットやカラーのコンテストが開催され、この場合にも全身のプロポーションやファッション性など、美容師が作り上げるカットデザインにマッチするかを問われてきます。
関連記事:フォトコンのモデル撮影に必要なポイント
カットモデルになりたい人向け
カットモデルの事を噂では聞いていても、友人に美容師を目指している人がいなければ、なかなかカットモデルになるチャンスは来ないのではないか?そう思っている人も多いはず。ですが、カットモデルになるためにはいくつか方法があるのです。カットモデルにはなるためには、どうしたら良いのでしょうか。
カットモデルになる方法
- 街でスカウトされる
- 美容院やカットモデルの専用アプリを利用する
- カットモデルを募集している美容室を利用する
- 美容室のHP、ブログ、Facebook、インスタグラム、ツイッターなどのSNSでの募集に応募する。
このように、今はカットモデルになる方法がたくさんあります。カットモデルになることで、新しい美容室を発見したり、美容料金を安く抑えられたり、無料で利用できたりします。ですが、あくまでも、美容師の練習のためという事を念頭に置いておきましょう。仕上がりが思い通りにならない事もあるはずです。なぜなら、スタイリストとしてのデビューを目指している段階なので、技術も十分とは言えません。カットモデルとしてではなくスタイリストにカットしてもらう場合でも、なりたい髪型の意思疎通がうまくいかず思い通りにしてもらえない事もあります。髪の毛はいずれ伸びるものと考え、広い心を持って接しましょう。
カットモデルとしての注意点
- カットモデルは必ずしも無料とは限らないので、必ず事前に確認する(パーマやカラーリングであれば、薬剤の料金が発生することもある)
- 美容師が練習するスタイルによってカットモデルの髪型に条件が定められている場合がある(セミロング、ストレートの方限定など)
- ヘアスタイルの希望や要望を聞いてもらえない事もあるので事前に確認する(特定のスタイルのカットモデルの場合)
- まれに失敗してしまう可能性もある(髪型にこだわりがある方は正規料金でカットする事をおすすめします)
- カットモデルを行う際には、営業時間終了後から始まる事もあるので、必ず確認する(夜遅くになることも)
基本的には、カットモデルになると無料でカットやパーマ、カラーをしてもらえることが多いのですが、希望のスタイルを選べる場合、選べない場合などもありますので、事前に確認するようにしましょう。時間帯や料金なども事前に確認することをおすすめします。
まとめ(カットモデルになるにあたって)
カットモデルになりたい人は、街頭で声かけをしている美容師に直接お話ししてみるか、SNSなどのツールを使って募集していないか探してみましょう。また、友人に美容師がいれば、カットモデルを募集している人を紹介してもらえるか聞いてみるのも良いでしょう。
確認を怠らないよう注意
「無料で髪が切れる!」というわけではなく、カットモデルには料金がかかる場合もあります。仕上がりも思い通りにならないこともあるので、その辺も理解してカットモデルに応募しましょう。
また、サロンの営業時間の後に行う場合もありますので、帰宅が出来る距離なのかしっかりと検討する必要があります。何事も、きちんと確認し合うことが大切で、後でトラブルにならないよう事前に気を付けておきましょう。
カットモデルをスカウトする美容師向け
ここからは、カットモデルをスカウトし練習する美容師側のノウハウ。美容師を夢見て、この世界に入り、日々楽しく先輩スタッフや同期と過ごしていたはずが、カットの練習を始める頃に立ち止まってしまう人も多いよう。
順調に進んでいたと思っていたけれど、「練習のためのモデルを自分で探す」といった任務が課せられます。カットモデルをお願いするといっても、友人ならともかく、知らない人にいきなり声をかけるのは難しいですよね。怪しまれずに、きちんと意図を伝えられる力も必要ですし、「この人の練習台になってもいいかな」と思ってもらえるような人柄も、瞬時に出さなければなりません。
まずは誰に声をかけるのかを決めるわけですが、引き受けてもらえそうな人を選ぶには何を判断基準にすれば良いのでしょうか?美容師として、モデルを選ぶ判断基準はあるものの、まずは自分自身が信頼してもらえるたたずまいをしているか確認してみるのも良いでしょう。
カットモデルを引き受けてくれそうな人の見極め方
勤務しているサロンの最寄り駅などで、街頭で声をかけ続けるという行為は、コミュニケーションも仕事のひとつとする美容師でも、簡単ではないこと。
知らない人に声をかけられて驚かない人はいないのではないでしょうか。恐怖のあまり、無視してしまう人もいるでしょう。ですが、美容師にとってカットモデルを探す事は、スタイリストへ駆け上がるために、やらなければならないことなのです。果たして、どのような人に声をかけたらカットモデルを引き受けてくれるのでしょうか。街を歩く人の見極めポイントを見ていきましょう。
【見極めポイント】
- 身なりを整えていて、自分の見た目に気を使っている人
- 最近、美容院に行ってなさそうな人
- 染めた髪の毛が伸びている人
- おしゃれに興味がある人(服装をみてチェック)
- 時間に余裕がありそうな人
- カジュアルな服装の学生を見つける
このような人を見つければ、カットモデルを引き受けてくれる可能性がありますよ。身なりを整えているのに、染めた髪が伸びて“プリン”状態になっていたり前髪が伸び放題だったりすれば、そろそろ美容院に行く時期が近づいています。あとは、どれだけ信頼してもらえて怪しまれずに説明できるかです。
また、カジュアルな洋服に身を包んだ学生を見つけてカットモデルを提案してみましょう。実は、学生にはカットモデルの需要があり、「無料」ともなると双方にとって嬉しいこととなるのです。学生側からしても、なかなか自分では声をかけられずカットモデルになりたい気持ちはあっても、どうしたら良いのかわからずにいます。
学生が多く行き交う大学や専門学校のキャンパス周辺で探すのもおすすめですよ。また、若者向けのカフェがある場所も狙いどころです。無料でカットモデルができる場合は、「タダ」というメリットをアピールしつつ、きちんと説明すると効果的でしょう。
スカウトする時の注意点
上記で紹介した「見極めポイント」をしっかりと見誤らないように気を付けてくださいね。実は、そこを見誤ると大変失礼な印象を与え、様々な人に嫌な気持ちにさせてしまうことになります。では、見誤ってしまうと街を歩く人をどんな気持ちにしてしまうのでしょうか。
【声をかけられた人の気持ち】
- 美容院行ったばかりなのに、カットモデルを依頼されるなんて、綺麗になってないってこと?
- 時間がないのに、しつこく話しかけないでよ
- 「無料ですから」と何度も言われて、そんなにお金ないように見える?
- いきなり、「学生さんですか~?」って話しかけられた。学生じゃないのに・・
このように、美容院に行ったばかりの人に声をかけてしまうと悲惨です。カラーをしていなければ、その人がどのくらい髪の毛が伸びたかわかりづらいですが、いつもは綺麗にしていても、「その日は体調悪くてセットしないで外出しちゃった」なんてもことあり得ます。髪の毛が乱れているからと声をかけてしまったら、会話の中でいつ頃美容院に行ったのかを聞き出しつつ、「自分が何者であるか」「こんな目的があります」「ありがとうございました」ときちんと感謝の気持ちを伝えれば、嫌な気分にさせずに済むでしょう。
カットモデルを探すことに必死になり過ぎて、街を歩く人に無意識に失礼な事を言い、嫌な気持ちにしてしまうのはNGです。それだけで、相手の1日を台無しにすることすらあるのです。自分の事だけでなく、相手の気持ちも考えてカットモデルを探すように心がけましょう。
怪しまれないスカウトのコツ
声をかけた人に足を止めてもらえたら、交渉スタート。相手に信頼してもらうことが一番大切な事で一番のハードルと言えます。いきなり街中で知らない人に声をかけられたら誰でも警戒してしまいますよね。まずは自分が何者で、何の目的で声をかけたのかを最初に伝えてくださいね。勤務しているサロンのチラシや、自分の名刺を見せればスムーズに相手の警戒心や緊張をほぐせるかもしれませんよ。
【信頼してもらえるためには】
- 声をかける第一声を「ハッキリ」と「挨拶も交えて」
- 自分が何者かきちんと伝える
- どんな目的であるか伝える
- 自分が美容師として「どうなりたいか」を伝えてお願いする(協力してもえらるように)
- 条件や時間など、カットモデルをするにあたり拘束時間がどのくらいか説明する
また、話している最中に相手を不安にさせないためにも、清潔感のある服装を心がけて笑顔で挨拶してくださいね。服装は自分の美的センスをアピールする重要なアイテム。清潔感のない服装では、自分の髪の毛を任せていいのか不安になってしまいますよね。
時間がありそうな人であれば、その場で、カウンセリングを行って信頼関係を築こうとする美容師もいます。おススメの髪型やカラーリングを提案し、悩みをじっくり聞いてコミュニケーションを取っていきます。相手の立場に立った親身な提案をすることで、美容に関する自分の知識や想いをアピールできるでしょう。
忘れてはいけないのが、トラブルにつながる可能性があるお金や時間などの確認。カットモデルは料金が発生するケースと、無料のケースがあります。無料だと思っていた人に料金を請求すればトラブルは必至。あらかじめ費用が発生するのか、発生する場合はどういう内訳になるのかをしっかり伝えてください。さらに、カットモデルはサロンの営業時間後に行うケースが多いので、時間への配慮も念入りに。
まとめ(カットモデルをスカウトするにあたって)
カットモデルのスカウトには根気強さが何よりも大切!100人に声を掛けてやっと1人引き受けてくれればよい方!と開き直って、なるべくたくさんの人に笑顔で声を掛けるようにしましょう。毎日の積み重ねで、きっとスカウトのコツも掴めるようになるはず。
目的に応じた声掛けが大切
一口にカットモデルといっても、アシスタントの練習用のモデルか、撮影またはコンテスト用のモデルかで基準が変わってきます。街で声をかける際は、「スタイリストになるためのテストを控えているため、たくさんのモデルさんにカラーをさせて頂いている最中なのです。」「〇月にあるコンテストのモデルとして、ぜひ協力していただけないでしょうか?」など、具体的にどんな目的で声をかけているのかしっかりとお伝えするようにしましょう。
しっかりと自分の事を伝えて誠実にお願いすることで、気持ち良くカットモデルを引き受けてくれること間違いありません。
この記事に関連するキーワード
関連求人を探す
都道府県から探す
美容師の仕事に就くための情報まとめ
美容師ってモテそうなイメージがありますが、土日の休みが取りづらく、朝早く夜遅い職種なので、恋人を作る時間もないという人も多いようです。
空いた時間で学べる「通信制度」の秘密とは? 美容学校の「通信課程」について徹底分析!
美容学校と聞くと専門学校のように学校に通って、仲間達とヘアカットやスタイリング、カラーリングなどの実技を磨いていくイメージが強いですよね。かなり忙しいし、お金がかかるとも耳にした人もいるかもしれませんが、ちょっとお手ごろな「通信課程」があるのをご存知だったでしょうか?
ハサミは形だけじゃない! 切れ味や長く使えるかどうかは素材が重要
美容師の腕を大きく左右する仕事道具の“ハサミ”。ハサミの形や大きさによって切れ方や特徴が変わってきますが、実はハサミの“素材”にも大きな違いがあることを知っていますか? 素材によってハサミの切れ味が変わったり、どのぐらい持つかということが大きく変わっくるのです。
美容師のハサミってどこで買えばいいの? その疑問にお答えする“美容師のハサミの購入方法”
みなさん、普段ハサミってどこで買っていますか? 「いやどこでも売ってますよ」っていう返事が返ってきそうですが、実は美容師が使うハサミはどこでも売っていないんです! 最近では通販やネットオークションなどで比較的簡単に買えるようになってきましたが、基本的に美容師用のハサミって一般の人は購入できないんです。
自分にぴったりのシザーケースを選ぼう! 選び方とオススメブランド
美容師が仕事をするために必要不可欠な“ハサミ”。カットやヘアスタイルに合わせてハサミの種類を変えることも多いので、何本かを使い分けている人がほとんどですよね。でも、ハサミを変える度に収納場所まで行って取り替えるとなると、ちょっと面倒くさい…。
美を扱う仕事というのはいつの時代もあこがれの職業。その中でも特に人気なのが美容師です。しかし、美容師という職業は美容室に勤務するだけではなれません。美容師として仕事をしていくためには、美容師としての免許が必要なのです。
美容師になるためには専門の資格が必要です! 資格や取得条件など事前に確認しておきましょう
美容師として働くには、国家資格が必要です。そのためには、美容学校へ入って勉強しなければなりません。でも、美容学校に入るには中卒でも大丈夫なのでしょうか?そこで、美容師になるために必要な学歴についてお伝えします。
美容師というと華やかなイメージのある職業。 一方、生活に欠かせない身近な存在でもあり、人をキレイにする美容のプロとして、代表的な職種といえるでしょう。
美容師になるための必須条件は、美容師国家資格を取得しなくてはいけません。受験者数は年々減少傾向にありますが、合格率は上がっています。
「美容師免許をなくした…」そんな時はすぐに再発行! 美容師免許の再交付や変更などの方法とポイント
美容師という仕事をするにあたって、美容師免許は不可欠です。国家試験合格後に申請手続きをしてやっと免許が交付されるので、初めての美容師免許の申請を困惑しながら行ったという人もいるかもしれません。
美容師試験に合格したらすぐに美容師免許の申請スタート! 初申請の方法やポイントとは?
美容師になるにはスキルやセンスを磨くことも大切ですが、まずは美容師の国家試験に合格することが大切です。厳しい練習や勉強の末に試験に合格できれば、晴れてアナタも美容師に。「これからがんばるぞー!」と意気込むのは良いですが、美容師免許の申請はお済みですか?
美容師のお給料が安いってホント!? 役職別に給与・年収の実態を知ろう!
体力仕事の上、お給料も安いと言われている美容師ですが、その給与が実際にどのくらいなのか正確な数字を知らない人も多いのではないでしょうか? ある程度きちんとした数字を知っておけば、自分の将来計画も立てやすくなりますよ。
国際化の波が美容師にも押し寄せる!? 転職にもプラスになる美容院での接客英語
美を扱う職業として大人気の美容師という仕事。自分の技術を高めるために、ヘアメイクアーティストとして海外に留学・就職する人も多いですね。そんな時に必要なのが“英語力”。
ここでのミスが一番の痛手!? 美容師国家試験当日の持ち物&服装に気をつけろ!
試験対策もばっちり済ませて自信満々! という状態でも、怖いのが“忘れ物”ですよね。学校の近くまで来て「あっ、あれ忘れた…」なんて思っても、戻るのには時間が無くて間に合わない…なんて、誰もが一度は経験したことがあるのでは無いでしょうか?
毎年2万人以上が受験する「美容師国家試験」の合格率や基準を大公開!!
毎年2万5千人以上もの人が受験する“美容師国家試験”。この中の多くの人が、美容師国家試験を受けて、4月からそれぞれのサロンで働き始めています。しかし、実際に全員が全員受験するわけでも、合格するわけでもありません。
実力が今、試される!「美容師国家試験・実技試験」について詳しく解説!
美容師国家試験の本髄とも言える「実技試験」。限られた時間の中で自分の納得いくものを仕上げるのは中々難しいもの。しかも、試験官の厳しいチェックが入っていると思うと余計に緊張しますよね。
過去問つきで解説! 美容師国家試験の“筆記試験”の詳しい内容をチェックしよう!
美容師になるために避けては通れない「美容師国家試験」。その関門のひとつ“筆記試験”は、まさに記憶力との勝負です。2年間、美容学校でみっちり覚えてきたことを何回も復習して覚えなければいけないので、勉強が苦手な人はちょっと憂鬱かもしれません。