美容スペシャリストな自分になるために

作成:2016.06.09

エステティシャン

鍼治療を美容に応用! 体を内側から美しくしてくれる美容鍼


細い針を肌に刺すことで様々な効果をもたらす鍼(はり)治療。薬などに頼ることなく体の痛みを緩和したり、肩こりや冷え性を改善したりできるということで、鍼治療はこれまで主に医療の分野で注目を集めてきました。
 
ですが、近年では美容目的で鍼治療を行う「美容鍼(しん)」が話題になっています。エステサロンや接骨院など、様々な場所に導入されてきているので、ご存知の方も多いかもしれませんね。今回は美容鍼の効果や方法から、はり師になるために必要な資格までご紹介していきます。

美容鍼にはどんな効果があるの?

鍼治療では細い針を体のツボや筋肉に直接刺して、施術を行います。それによって血流を促進したり、代謝を良くしたりする効果が得られるのです。美容鍼ではそんな鍼治療を主に顔周辺に施すことで肌荒れを改善し、くすみやシミ、シワもなくしていきます。また、鍼によって筋肉を収縮させることもできるため、顔のたるみを持ち上げるリフトアップ効果やほうれい線を薄くする効果を望めるのも大きな魅力です。
 
さらに、美容鍼にはコラーゲンを生成する効果も。針が肌の奥にある細胞をわずかに壊し、それが修復していく過程でコラーゲンが生成されるのです。自然治癒力を活かして肌を若返らせられるというのも、メリットの一つですね。
 
なお、美容鍼は1回施術しただけだと、効果が1週間程度しか持続しません。ただ、継続して施術を受けることで効果を実感できる期間も延びていくと言われているので、こまめに通ってみてはいかがでしょうか。
 

どんな風に施術するの?

美容鍼では錆びにくく、折れ曲がりにくいステンレス製の針がよく用いられます。針の太さは0.14ミリから0.34ミリほどと極細。髪の毛ほどしかないと考えると、その細さがよく分かりますね。また、先端が丸みを帯びているため、肌に入ったときに痛みを感じにくいようになっています。
 
施術の流れとしては、まずお客様をカウンセリングすることから始まります。ここでは体質や希望する施術内容などをきちんと確認することがとても大切。それから顔の化粧を落としてもらい、清潔な状態にしてから施術に入ります。
 
次はマッサージで顔の骨格などを確かめつつ、鍼の効果が出やすくなるように下準備をしましょう。どこに鍼を打てば良いのか確認し、50~100本ほどの針を刺していきます。本数は施術の目的やお客様の体質などによっても変わってくるので、適切な効果が出るように考えて打つと良いでしょう。
 
また、針の刺し方にもいくつか種類があります。一般的に行われているのは針を刺したまま時間を置く「置鍼」というやり方ですが、刺した針を動かして刺激を与える「単刺」という方法も。単刺は針を放置する必要がないので、施術が短い時間で終わるのが利点です。そのほか鍼に低周波の電流を流す「パルス」という方法などもあるので、自分に合った治療法を探してみてください。
 

美容鍼は安全?

様々な効果が得られる美容鍼ですが、中には鍼治療に怖いイメージを抱いている人もいるはず。体に針を刺すと聞くと、痛くないのか、怪我をすることはないのか不安に思ってしまいますよね。ですが、鍼治療で使用される針は髪の毛ほどの太さしかないため、ほとんど痛みを感じることはないと言われています。また、ほとんどのはり師が使い捨ての針を使用しているため感染症などのリスクも低いのです。
 
ただ、顔には毛細血管が密集しているため、鍼の施術によってごくわずかな出血が見られることがあります。また稀に内出血が起こって、青あざができることもあるのですが、いずれもすぐに治る程度のものですし、あざは小さいので化粧で隠すことができるので安心です。とはいえ100%トラブルがないとは言いきれませんので、自分で信頼できるはり師さんを見つけて施術を受けることをオススメします。
 

どんな資格が必要なの?

鋭い針を体に刺していく鍼治療は、もちろん専門的な知識と技術がなくては行えません。安全のために、はり師の国家資格も必要になると法的に定められています。ただ、国家資格の取得はそう簡単ではなく、文部科学省や厚生労働省が認める学校で鍼灸について学ばなければ受験資格を得られません。
 
また、はり師の国家試験は筆記試験という形になり、年に1回、毎年2月に行われています。試験はきゅう師の国家試験と同時に行われるのですが、合わせて受験すれば共通科目が免除されるのでお得です。試験に合格すれば免許証の交付を受けられ、晴れて鍼治療に携わることができるようになります。
 


 
 
自然治癒力を利用して、体を内側からキレイにしてくれる美容鍼。現在では専門の鍼灸院からエステサロンまで、様々な場所で施術が行われています。国家資格が必要になるため敷居が高いと感じる人もいるかもしれませんが、今後さらに需要が高まっていくことも十分ありえるので、一度調べてみてはいかがでしょうか。

Author:美プロ編集部

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