スタイリストとアシスタントの違い

美容師免許を取得し、美容室に就職するとすぐにお客様を担当できるわけではありません。
美容師は‘スタイリスト’と‘アシスタント’に分かれており、施術できる内容もわかれています。
一般的にスタイリストはカット・カラー・パーマなど、全ての施術に対応でき、お客様を最初から最後まで担当できる美容師です。
一方アシスタントは、カットができず、カラーやパーマなどもスタイリストの指示のもと行う、サポートという役割です。
一人で任される施術はシャンプーやマッサージなど。最近はヘッドスパをメニューに入れているサロンが増えているため、アシスタントの活躍機会も増えています。
こういった‘スタイリスト’‘アシスタント’などのランクは、法律で決められているものではなく、美容室が求めているスキルによって定めたものです。
そのため、どの時点でランクが上がっていくのか、どのレベルで合格になるのかなどの基準もサロンによって異なります。
スタイリストとアシスタントの間に‘Jrスタイリスト’というランクがあったり、スタイリストのさらに上に‘トップスタイリスト’などを設け、指名料にも差をつけているサロンもあります。

アシスタントのカリキュラム

ヘアメイクのお仕事に向いている人

アシスタントはスタイリストのサロン業務をサポートをしながら、練習時間を設けて、必要なスキルを習得していきます。
多くの美容室がカリキュラムを用意しており、その美容室が求めるスキルになるまで練習を続けます。 具体的な項目は

  • 受付や電話応対のフロント業務
  • シャンプー、トリートメント
  • ブロー
  • カウンセリング
  • パーマ
  • ヘアーカラー
  • カット
  • モデル実戦演習

など。
こういった項目をさらに細かく分け、技術だけでなく、理論や知識も学べるカリキュラムを作成しています。
各項目の習得までの期間を決めて進めるため、項目数によってスタイリストデビューまでの長さは異なります。
2~3年を目安にしているサロンが多いです。

練習方法はサロンによってことなります。大手サロンでは教育専門機関が完備されていたり、個人サロンではオーナーや店長から直々に教えてもらえるなど、それぞれに特徴があります。
一人のスタイリストが数人のアシスタントに教える、またはマンツーマンでスタイリストがアシスタントに教えることも。
夜遅くまで、または朝早くからの練習が多く見られましたが、アシスタントはもちろん、教える側のスタイリストも含め、肉体的・精神的負担が大きいことが問題視されています。
そこで練習方法にも工夫を見せているサロンが増えています。
例えば「営業時間内の空いた時間に練習」「朝練なし」「夜の練習は2時間だけ」など、時間を有効活用する工夫が取られています。
また、アシスタントによっては「早くスタイリストデビューしたい」または「じっくり着実に学びたい」など考えも異なるため、本人に合わせてカリキュラムを調節できるサロンが多くなっています。
それぞれのサロンによっても方法や考え方が異なるため、自分に合ったサロンを見つけることは、将来の目標に着実に近づける需要な要素でもあります。

練習用ウィッグ

練習用ウィッグ

美容師の技術練習で欠かせない道具が練習用ウィッグ。
実際のモデルさんでの練習が理想的ですが、ウィッグでの練習は欠かせません。
練習用のウィッグには、カット用、ワインディング用、レディース、メンズ、美容師向け、理容師向けなど、様々なメーカーの様々な種類があります。
さらに細かくレイヤースタイル練習用など、一つのスタイル専用のものまであります。
値段も2000円代~と様々です。上記のような型や植毛密度、長さ、100%人毛であるかどうかでも値段は異なります。
人口毛は比較的安価ですが、静電気を帯びやすくブラッシングが通しずらい、はさみの刃が傷みやすい、パーマがかけられないなどの特徴があります。
練習するスタイルによっては、向いている種類と向いていない種類があるため、しっかり確認して購入する必要があります。

同じウィッグで何度か練習できますが、カットすれば短くなってしまうため、買い替える必要があります。
成長過程にあるアシスタントにとって、このウィッグ代は負担になることも多く、サロンによってはウィッグ代を負担している場合もあります。
練習以外でもウィッグは国家試験やコンテストで使われるほか、スタイルの考案時など、美容師生活には欠かせないものと言えます。